古民家の宿ぽっぽや、どこを向いても鉄な愉しい子鉄の宿でした

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山梨県に家族4人で出掛けてまいりました。西陽の眩しい中央自動車道を山に向かって走り、クルマの助手席には息子。後部座席には妻と娘。妻が助手席に戻るのは何年先なのかと考えていました。今回お邪魔した宿は、大月から富士山駅結ぶ23.6キロの富士急・大月線・谷村駅近くにある鉄道好き垂涎?の「古民家宿ぽっぽや」さんです。縁があって宿からもそう遠くない富士吉田に度々訪れているのですが、ぽっぽやさんは人気の宿らしく、週末の宿泊予約に挑戦すること3度目にして、念願の初訪問となったのでした。

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富士山の北登山口にあたる富士吉田への旅客輸送を目的とし、富士急行・大月線は昭和4年(1929)に営業を開始しました。宿の近くの最寄り駅・谷村駅の名が示す通り、この辺りは山と山に挟まれた谷間に開けた土地で、富士山を源とする山中湖より流れ出る桂川(下流では相模川と呼ばれる)がその谷間を縫うよに流れております。その川の流れに沿ったカタチで富士急の線路は敷かれており、1時間に4本程の頻度で列車が宿の前を駆け抜けて行きます。

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「ごめんくださ〜い」と大きな声を出しながら子供達はぽっぽやさんに突入。荷物を両手に抱えながら屋内に足を踏み入れてみると、目の前には集会札ボックスがドンと置かてていましたΣ(゚艸゚〃) 切符ないと此処からは入れるないかも!  自分が小さい頃にはまだ改札口に駅職員が立っており、専用のハサミで乗車の開始の印としとして乗車券にチョキチョキ鋏をいれいました。SL好きそうな駅長室もあるし、何やらメッセージをチョークで書き残せる黒板も壁にかかっていて、昭和の駅舎にタイムスリップしたかの錯覚に...。

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お手洗いの前にあるタオルが掛けられているモノも、気を付けて目を向ければ電車の手摺で、土間には線路が敷かれている等と鉄道愛に溢れている空間が広がっていました。この宿は若いご夫婦(旦那さんは本職鉄道マン+元CAの奥様)が子供+鉄道=「子鉄」を主題とした旦那さんの趣味全開なゲストハウスで、古民家をDIYで改装して開業した年に泊まりにお邪魔したのでした。

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共有スペースとなっている居間はなんと、プラレールの線路を繋ぎ放題な夢空間。部屋の右手に見える桐箪笥には沢山のプラレールが入っています。自分が子供の頃にも家中に青いプラスチックの線路を長〜く繋げて遊び、いろんな人に電車を買って貰った記憶があります。自分の息子も幼い頃は「トミカ、トミカ プラレール、乗り物、ゴ、ゴー、パラダイス」と歌いながら遊んでいました。

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気が付くと大きくなった息子が先程の黒板に悪戯描きの真っ最中。既にチェクインを終えていると思われる先客の子供達の落書きによって黒板は埋め尽くさられていたので、「けさないで」という書き込み部分を消して、その上に我が家のマスコット? フジちゃんの絵を描いたりしていました。

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チェックインの手続きを済ませ、母屋より裏手の中庭を通って宿泊棟に向かいます。現在は中庭となっている部分と母屋を将来は"連結"させて、そこに子供達が乗れる鉄道を走らせる計画もあるのだとか...。宿泊棟の入口が見えてくると、視界に飛び込んできたのは電気機関車EF66の実・寸・大のモックアップ!! 宿のご主人よる作品だそうです。家のなかに実寸大の車両を造ろうという発想が凄い。しかもそこは、運転台に入れる特権付きの部屋となっていました。

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3つある部屋の間にある共用スペースも、ヘッドマークの座布団や特急列車の座席と鉄道愛が溢れておりました。写真を撮っている自分の背後に子供用のボルダリング・スペースがあるのですが、掴まるところもよく見ると特急列車でした。この日に我が家が泊まらせて頂くのは共有スペース右手に見える大きな青い車体EF66の中にあり、部屋の名前は「オロネフ30」と車体に書かれていました。

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電気機関車EF66の側面には2つの入口があり、左手の本物の車両に付いていたドアを開けると、中には本格トレインシュミレーターがドーンと備え付けられており、マスコンハンドル&ブレーキ。運転できる路線はモチロン富士急です。ゲーム好きな息子が予想通りに大ハマりしてしまい、ゲーム強制終了時間の午後9時まで独り入り浸っていました。

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機関車の右手には電車の渡り板が足元に敷かれ、その周囲に見える幌は実車で使われていたホンモノだそうです。渡った先にのぞいているのが寝床です。突き当たりのドアには「乗務員室」と書かれており、まるで先頭車にいる気がする鉄の魔空間。このドアは本物らしく見えるからか、引っ張って開けようとした跡があり少し壊れていました。この晩はこの布団敷き寝台車で熟睡です。

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お風呂も期待を裏切らない鋳"鉄"製の五右衛門風呂(おそらく大和重工製)で、備え付けの用紙に使用時間を書いて予約するようになっていました。トイレ入口には男女それぞれ「男性専用列車」と「女性専用列車」と書かれ、洗面台にも電車がガタゴト。ここは主成分が鉄分でできている宿で、そして、宿泊しているのは鉄分が多めな家族のようです。

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翌朝は母屋の共有スペースの居間にて、宿のとなりを走る列車の姿と音を楽しみながらの朝食を頂きました。全ては見られてませんが、一般車両の他にも朱色の富士山ビュー特急、フジサンンキャラが賑やかに描かれているフジサン特急、機関車トーマスランド20周年記念号と多彩な列車が目の前を通ります。さすがはオーシャンビューならぬ、"トレインビュー"な宿です。子供達はオモチャや絵本を、大人は飲み放題のコーヒーを傾けながら、過ぎ去る列車を堪能、堪能。

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朝食を終えて、子供達はまたシミュレータ室に2人して篭って遊んでいました。この鉄道シミュレータ、少し挑戦するも大人でも四苦八苦。列車をスタートさせる加減が一番難しく思えました。やりたい放題なプラレールに、本格鉄道シミュレータ、鉄ボルダリング、実寸大機関車など小さな宿に盛り沢山な"ぽっぽや"さんは子供達と一緒に泊まって楽しい宿。これであればリピーターも多く、予約が取りにくいのも理解できると納得しました。