富士山に向って離陸、忍野スカイスポーツで体験ハンググライダー

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山梨県に家族三世代で行って参りました。富士山の北麓地域には昨年末より毎月の様に遊びに来ており、我が家で最も"熱い"場所となっていたりします。観光名所として全国的に名高い忍野八海より東に3キロほど東、道志山塊の西に位置する杓子山の麓にある「忍野スカイスポーツ倶楽部」に参りました。今年二度目となる訪問でした。

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忍野スカイスポーツ倶楽部はハンググライダーを主体とする飛行倶楽部です。自分は米国から帰国後に茨城のウルトラライトプレーン倶楽部に出入りしていた時期があり、同じ忍野村に忍野マックスという名前の飛行クラブが忍野場外離着陸場にあると認識はしていました。但し、動力付きハンググライダー(通称トライク)がどうも興味を感じられず、先延ばしを繰り返して初めて訪れたのは昨年の事でした。

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この日に体験飛行をさせて貰うのはトーイング・ハンググライダーと呼ばれるものです。グライダーを前方から凧の様にワイヤーで引き揚げ、左右に貼られた補助ワイヤーで蛇行を抑え真っ直ぐ飛ぶ仕組みで、体験する人間は座っているだけで操縦の技能を有せずともミニ体験飛行ができる仕組みになっているのです。

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今回の山梨・静岡旅行に連れてきた我が家のマスコット・赤ベコさん。娘が一緒に飛べるかと尋ねると、「落ちないようにポケットに入れておけば問題ない」と指導員さんよりの心強い回答。4歳以上であれば子供ひとりの飛行もでき、それ以下の子供は親と一緒に飛ぶことも可能だそうです。

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富士山が大きく見える離着陸場を、バギーに牽引されたグライダーがトコトコと上って来ました。体験搭乗者が身に着けるのはヘルメットだけで、その他には何もありませんでした。注意事項も特になく、腰を下ろしてスポッと入るような姿勢での着座をして、安全ベルトを指導員がパチパチと嵌めていったら準備完了。主翼に吊り下がった状態となるため、ハング・グライダー(Hang Glider)との名前が一般化したのには納得の姿です。

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息子が飛び立った後に娘のグライダー初飛行の順番がきました。赤べコさんを右ポケットに確りと御守り代わりに入れて、両手でパイプを力強く握って出発!  エンジン機のプロペラやジェットエンジンが唸りを上げて力で離陸すると言うよりは、浮かぶという表現の方が合っている様な飛び上がり方で、空気のなかを浮かぶ感じで進んでいきます。

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反対側からの飛び上がった場面を撮影してみました。飛び立って何かあったら真っ逆さままな印象が拭えないハンググライダーは1度も触った経験も自分はありません。なので、飛行場に置かれている(体験用でない)実機は興味津々でした。操縦者の前に位置する手で掴める棒を押し出したり、引っ張ったりして機体の重心位置を動かして操作するのだろうと頭では理解できても、どの程曲がれるのかは考えられずでした。S字やU字をハンググライダーで描きながら、颯爽と曲がる場面を映像で見たことがあるも不安は拭えず...。

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ちなみに引っ張り上げてもらう方法はスクーター・トーイングと言います。スクーターの後輪を改造したものを動力としているのが特徴。凧のように引っ張り上げてもらう方法はグライダーによる飛行黎明期よりある方法のひとつです。飛行のたびに山頂付近等の高所まで重い機体を上げなくてはいけない(地上から飛び立てない)のがハンググライダーの欠点で、離着陸を頻繁におこなう必要のある訓練時には特に効率が悪くなってしまいます。スクーター・トーイングはこれを解決する為に欧米の誰かが思い付いたのでしょう。

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数千の実験を経てグライダーの実用的な理論を打ち立て、有人飛行を果たしたのはドイツのリリエンタール兄弟で、その後スグにリリエンタールの功績を素地にしてライト兄弟が人類初の動力飛行を成功させ、固定翼動力機の飛行方法確立に至ります。全世界を日々飛び回っているボーイングやエアバス等の旅客機を含め、全ての有翼機は「空を自由に飛びたい」という願いと先人達の理論を基礎としており、目の前の体験グライダーも例外ではありません。

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息子が何やらやらかす表情を見せていたので、フライト時の様子を離陸前からつぶさに眺めていました。見ればパイプを右手でしか握っておらず、反対の左手では赤べコさんを握っており、その左手を持ち上げたかと思うや否や......。

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上空4-5メートルからポイっと投げられた我が家のアイドル・赤べコさん。ヒドイ( `^´* )。息子が着陸後に「え〜、ここに重大な事実を写した証拠写真があります!」と言って、上の連続写真を子供達に見せたところ息子と娘は大笑いをして、鹿の糞がそこらに転がるグランドに笑い転げていました。帰宅後に赤べコさんは息子がお風呂で泡泡にして洗っていました。

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晴天下に輝く雄大な富士山に向かっての離陸場面をビデオで撮影してみました。離陸する感じは長い主翼を持つ滑空機の操縦席に座り、ウインチで投げられる時と同じ感覚です。もちろん速度/勢いが全く違いますが、ものの1-2秒で空の中に浮かぶ時の視線が似ていると感じました。息子にべコさんを上から渡すので、祖母の処で待っていてと伝えたのですが、完全に忘れて着地してしまいました。

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せっかくなのでと祖父(私の父)も乗せて貰いました。体重が孫と倍以上違うので明らかに最高点の高さが違います。ハンググライダーは200メートル程の着陸帯が必要だそうですが、この体験グライダーは定点着地を目指せるパラグライダーと同じか、それ以上の精度で着地させる事ができるそうです。

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自分達の体験中に、教官同乗で訓練中のハンググライダーがノンビリとしたスピードで上空旋回しているのが見えた/無線がはいったので体験は一時中止。エンジンが付いていないグライダーは着陸復行はできないので一発で降りなくてはならず、着陸機に離着陸場使用の優先権が与えられます。常周経路で最終コーナーをキツイU字カーブを描き侵入し、最後は足でなくザザザ-と芝生に滑り込みで接地。空中では風切り音で聞こえ難いのか、着陸間際には教官の大きな声での指示が聞こえ真剣さが伝わってくる程でした。楽々ハンググライダー体験後に山上から飛ぶコースもあると息子は知り、「ハンググライダーは少し面白そう、やってみたい」と興味を示していましたが、教官の叱咤する姿を目にしてスグに前言撤回をしていました。