アフガニスタン大使館主催・凧揚げ大会、空高く両国の凧を揚げよう

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東京にあるアフガニスタン大使館訪問時に知った「アフガニスタン凧揚げ大会」なるイベントに参加すべく、東京と神奈川の境となっている多摩川の河川敷に家族で行って参りました。外国大使館が主催するイベントとして凧揚げとは、何とも暖かみを感じさせると思い興味を持ったのです。

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日本体育大学荏原高等学校の第二グランド(上図の凧揚げ会場)が凧揚げの会場です。周囲は多摩川の水辺空間として住民の憩いの場となっており、大規模な工場跡地を利用した高層マンションや商業施設が立ち並んでいる場所でした。当日朝確認した天気予報は晴れのち曇り。風速は3-5メートルと凧揚げには絶好の日和です。

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多摩川の堤防を越えたところに広がる河川敷の多くは運動場や緑地帯となっており、訪れた荏原高校のグランドもそのひとつでした。天気予報と少し違い層雲が広く上空を覆っている状態。写真左側の野球場がこの日の会場らしく、グランドに太鼓や沢山のテントが張られているのが見えます。先着でアフガニスタンの凧が貰えるとの情報を得ていたので、子供達は我先にと会場へ駆けて行ってしまいました。荏原高校の生徒達が案内の為に立っており、「おはようございます!」との元気の良い声が心地よかったです。

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こちらがアフガニスタンの凧。かたちから見ると長崎の名物凧・ハタと同じく菱形をしています。まだ糸が取り付けられていない状態だったので、南アジアで多く見られる民族衣装サルワールカミーズを纏った男性がチョイチョイと糸を張ってくれました。上の写真で手が写っている方が、この会場のアフガニスタン凧を独りで準備されたそうです。

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主賓の挨拶にはアフガニスタンよりお越しになられた鈴鹿・在アフガニスタン日本国大使をはじめとして、多くの方により日本とアフガニスタンの両国の友好を称えるスピーチがありました。この日、毎年参加されているというアフガニスタン大使は米国出張にて残念ながらご不在...。

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出典:アフガニスタン大使館配布資料より

その中でもアフガニスタン・カブール大学にて3年間教鞭を取られた方が「アフガニスタンで生まれた41歳までの人達は平和を体験したことがない」という言葉が記憶に残りました。41年前というとアフガニスタン紛争が始まった頃になるでしょうか?

アフガニスタンに共産党政権が誕生し、これに対抗する武装勢力が全土で蜂起。ソ連軍が進行し10年に渡る戦争が開始されたのでした。その後も激しい内紛は続き、タリバーンが国土の大部分を支配し政権を樹立。2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生し、その報復として米国はアフガニスタンに軍事進行を敢行。絶え間なく続く内紛と外国からの干渉を受け続け現在に至ります。2019年に入り、アフガニスタンの治安維持を現在担っている駐留米軍1万4千人の完全撤退する意向の発表がなされ、新たな混乱と悲劇を招くのではないかと懸念されているのが現状で、未だアフガニスタンの人々が団結して国を復興させるまでは遠い先のように思えてなりません。

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日本凧の会による100以上連なる連凧が揚がり、会場の人々の気持ちを明るくしていました。遠目で見ていると、揚げている方と息子が何やら話していて、何やら凧の紐に掴まって浮いていたような...。1番手前の凧に描かれているのは、この凧を揚げられた御本人だそうです。

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早速子供達が凧を揚げていました。娘のインベーダー凧は空高く、息子の角凧は遠くへと。息子の凧は大会1週間前の試し揚げで失敗し、大会前日に糸目変更、バランスを下げる為の凧の尻尾の追加をして、ナントカ飛ばせる状態に持っていったのでした。

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大空を見上げると、無数の凧が飛び交っています。お髭のアフガニスタンの方に話しを伺うと、凧揚げは男の子と一部の成人男性の遊びで、女性が手を出すことは滅多にないそうです。アフガニスタンでの凧揚げはケンカ凧で、ガラス粉をまぶした紐で相手の凧の紐を切り落とす男の闘いなのだとか。

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日本ではビニール製の量産凧が市場の殆どを占領してしまっていますが、アフガニスタンではまだ小さな凧屋の造った特性ケンカ凧や自家製のものが多く使われているそうです。イスラム国家の安息日である金曜日には、待ってましたと自慢の凧揚げるのがアフガニスタンの子供達の休日。

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七味うどんが来場者に配られていました。娘は余程気に入ったのか2杯完食し、好物のコンニャクを親のうどんから持って逃走。これを用意したのは高校のPTAだろうかと、妻は他校のPTA貢献具合をタイヘンだと思いながら食べていました。

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子供達が凧揚げに飽きたらしいので自分で揚げる事に。天気も好転し、気持ち良い青空が見え始めていました。息子がつくったピカチュウ角凧は既に墜落を何度も繰り返しており、結構ボロボロになってきていますが、もうひと踏ん張りしてもらいます。

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この凧揚げ大会の重要スポンサー様であられるキャノン本社を背景にしての一枚です。アフガニスタンに一日でも早い和平が訪れる事を願い揚げてみました。来年は"アフガニスタン凧"揚げ大会に因んで、ケンカ凧を息子と2人で準備。優雅に機敏性ある動きを魅せて、アフガニスタン人に凄いと言って欲しいと考えたのですが無理かな...。

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気温10度、風速5メートルの寒さを感じる青空の下、グランドの片隅で腕立て伏せをする謎の集団。愉しいことがコレから起こる気しかしない...。

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太鼓の音を合図に土埃を巻き上げながら、短パン&ハチマキの若い肉体が目の前を駆けて行きました。日本体育大学の「エッサッサ」で、東京農大の大根踊り等と並ぶ独自の応援スタイル。月明かりに獅子が咆哮する様を表しているのだとか。素晴らしい。子供達はその勇姿を笑っていました。

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最初に頂いた花柄の可愛らしいアフガニスタンの凧ですが、無料配布は無地の六角凧だったようでこれは実は違うようでした。うちのピカチュウ凧と同じく、尻尾を付けないとグルグルまわってしまいます。日本凧の会の方が尻尾を付けて飛ばそうとしていましたが、それでも飛び上がらず苦労されているのを目にしました。

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参加者は家族連れを中心に3-400名程でしょうか。和やかで良いお祭りでした。日本から西へ6,000キロ離れたアフガニスタン。いつの日にかアフガニスタンの地にて、日本大使館主催・凧揚げ大会ができる日が来る事を強く願います。