結晶の変化で天気の予測をするストームグラスを初めて自作

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季節も秋から冬へと向かい寒くなってきたので、以前より興味を持っていたストームグラスを自作してみることにしました。ストームグラスは天気管や嵐の瓶との和名でも呼ばれるもので、クスノキから採れる成分(樟脳)をアルコールに溶かし、その溶液の変化を観察して天候を読む一種の天気予報機でした。

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ヨーロッパ大陸で樟脳を痛み止めの民間療法として使用していた頃に、誰かが天候と結びつける「発見」をしたのがストームグラスの始まりだとか。

そのストームグラスを世に広めたのがイギリス初代気象局長のロバート・フィッツロイ(上の写真)。彼は進化論の提唱者チャールズ・ダーウィンのガラパゴス諸島への航海で乗船したビーグル号の船長を務めた人でもあり、そのビーグル号にもストームグラスが備え付けられていたそうです。

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気象衛星がある現代では、ストームグラスは天気予報にはモチロン用いられず、主に樟脳の結晶を楽しむインテリアとして販売されています。これを自作しようと言うのが今回の趣旨になります。ストームグラスのレシピは英語サイト記載の情報を基に作ろうとしました。

〈参照にしたストームグラスのレシピ〉

  • 硝酸カリウム 25g
  • 塩化アンモニウム 25g
  • 蒸留水 330ml
  • エタノール 400ml
  • 樟脳 100ml

上のレシピでは硝酸カリウムがリストに入っています。硝酸カリウムは爆発物製造につながるとして日本国内では一般販売されていないと知り、ネット上の情報を参照にして自分で決めたレシピが以下のモノです。観賞用ビンの容量が200gなので、合計が200gになるようにしました。

〈自作ストームグラスのレシピ〉

  • 塩化カリウム(減塩50%カットの塩) 10g
  • 硝酸アンモニウム(ひえっペ) 10g
  • 蒸留水(精製水で代用) 65ml
  • エタノール(無水エタノール) 95ml
  • 樟脳(衣類防虫剤) 20g

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エタノールは樹脂を溶かしてしまうので、混ぜ合わせる容器と鑑賞用容器の瓶/蓋は樹脂製(プラスチック)は避けるべき。上の写真のガラス瓶は100円ショップ・ダイソーで購入して、観賞用に利用しようと予定していましたが、蓋がプラスチックだったのに購入後に気が付き、混合用だけの利用にせざる得なくなってしまいました。

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電子ハカリで材料を計測中。ひえっぺ/塩の合計で32gを目指している場面です。娘が手伝ってくれているので、1-2gの誤差と飛び散っているのは見なかった事にして下さい。

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洋服タンスの防虫剤の臭いがする樟脳を、袋から取り出し瓶に投入しています。細かく砕いても良かったのですが、直ぐにエタノールで溶かしてしまうので、重さを計った樟脳をそのまま瓶に入れました。

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次にエタノール約100mlを注ぎ込んで、瓶を軽く振って樟脳を溶かしました。樟脳とエタノールは臭いがキツイので、窓を開ける等の換気が必須です。

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塩、ひえっペと精製水を続けて入れて、親の仇の如く激しくシェイク。娘もシェイクしたいと言うので、蓋をガムテープで本体と確りと貼り付けてから振らせてみました。エタノールは強い薬品なので、飛び散って衣類にでも付着してしまうと取り返しが効かないので注意が必要です。

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シェイク後は瓶底に沈殿物が見える状態だったので、湯煎をして更に溶かそうとしています。エタノールは揮発性があるので沸騰はさせず、60度ぐらいで様子をみながら沈殿物が見えなくなるまで温めてみました。

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佐渡島・尾畑酒造の日本酒瓶が200mlと容量的に具合が良さそうだったので観賞用の瓶に転用。湯煎から上げた時には全体が薄い乳白色だった液体を移し替えました。念の為にと揮発分を考えて、数滴エタノールを追加してみました。

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冷気の伝わる窓のそばで暫く放置します。日も暮れた後の寒い夜に、どんな状態かと持ち上げて覗いてみると、雲のようにフワフワした感じの沈殿物の上に、雪が降るかのように綿状のものが舞っていました。

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更にそのまま窓際で放置。就寝前(製造後10時間)の様子です。瓶底にあった雲の部分が澄んできて、目を近づけて観察すると結晶のような形もチラホラと。

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翌朝6時での状態。雲の上にシダ植物をかたどった雪の結晶が沢山乗っているかのようです。一発勝負で、娘によるアバウト軽量でも成功できました!  

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製造後2週間の早朝の様子。短い期間での観察ですが、気温変化が大きい日(早朝の寒さが厳しい日)に大きめの結晶がよく見られると感じています。

天気管が澄み渡った状態は晴天、濁った色の状態は曇り/軽い雨。雪のような点々が見える時は湿っぽい天気。濁った液に結晶の星が見える時は雷雪。結晶が底に溜まっている状態だと曇り空に雪か雨。上部に結晶が集まる時は強風…、との見方もあるとか。

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外気温5度、湿度66%、気圧1017.4hPa、降水量ゼロ、晴天時の天気管を撮影してみました。グラス底に樟脳の結晶が貯まっていますが、その上は澄み渡っている状態。

初めてストームグラスを作ってみましたが、思っていたより簡単に結晶が現れて嬉しかったです。大雪が降る日や台風が接近するときの結晶がどんな変化を見せてくれるかを楽しみに、飾っておこうと思います。

<追記>
再度ストームグラスを作成してみました

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