子供限定のゴミ拾いツアー参加。渋谷の街中にある清掃工場へ

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昨年のことですが、娘と一緒に渋谷でのゴミ拾い活動に参加してみました。「渋谷のゴミってどこにいくの?」という主題の小学生限定ツアーで、渋谷でゴミ拾いをして、最寄り清掃工場を訪れるのがその内容です。集合場所である渋谷駅ハチ公前にはそれらしきベストを着た子供達が集まっていたので、係の人と思しき男性に声を掛け、ベスト、ゴミハサミ、ゴミ袋の3点セットを受け取って参加となりました。

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上の子供の息子はこれまで各地に連れ回し、色々と体験をさせてきたせいか、何処に行って物怖じしない猪突猛進型でアホな男の子に育ちました。娘も小学生になったので、見ず知らずの他人と接したり、社会の仕組みを少し見せたりしてみようと思ったのが申し込みのキッカケでした。それに加えて、渋谷、原宿は自分の高校と程近く、自分の毎日いた場所だった街の変化を楽しめる場所なので、ツアー参加で普段と違った視点で見てみたいという希望もありました。

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渋谷駅は4つの鉄道会社(JR、東京メトロ、東急、京王)が乗り入れる街で、渋谷駅1日の平均乗降車人数は300万人を超える巨大ターミナル駅です。再開発事業が行われており、原宿、表参道、青山、代官山、恵比寿と個性的な周辺の街と併せて広域渋谷圏を成しています。ゴミ拾いをするコースは渋谷駅のスクランブル交差点に面したハチ公前広場を出発して、JRのガード下をくぐって宮益坂へ。青山通りを渡り、六本木通りも渡って清掃工場へと向かうものでした。今年撮った渋谷近辺の上空写真に書き込んでみると赤線のようなルートだったと思います。

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歩き始めてスグ、歩道には目立ったゴミは殆ど落ちていない事に気が付きました。街全体がパーティ会場となるハロウィンの翌日であれば凄いことになっているのでしょうが、普段の週末なのでボチボチ。ですので、ゴミ拾いをするには道路脇の奥まった場所や、街路樹の陰などの目に付きにくい場所にあるゴミを引き摺り出す必要がありました。そこには用済みとなった煙草の吸い殻や、ペットボトルが隠されていたりするのです。

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渋谷圏は商業地で横繋がりは希薄と見られがちですが、地元コミュニティ力が強い場所なので既に清掃済みだったのかも知れません。あまりゴミ拾いの成果が芳しくないので、ゴミのありそうな場所に子供達が群がっていました。上の写真には映っていませんが、子供達の右側が喫煙所となっており、数人の大人がプカプカと喫煙をしていました。突如現れたちびっこゴミ拾い部隊前にして大人達は居ずらいと感じたのか、そくさくと撤退を余儀なくされた...

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この"ツアー"ですが、主催者側の安全意識が欠如している場面が多く見られました。小学生と比較的に低年齢な子供達を案内するにあたり、道路を渡る時の交通整理に務めるどころか写真撮影に熱中する主催者側スタッフ。片側通行無視や道路いっぱいに広がって歩いていても気が付かず。"ツアー"最後の記念撮影時には、スタッフが写真撮影をしていた場所が車道の上から等々。あまりに周囲が見えておらず、物事に水を差すのが嫌いな自分がスタッフに苦言を呈する程でした。

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拾い集めたゴミを分類してまとめてます。燃えるゴミが3袋、ペットボトル等のリサイタル品が2袋がこの日の成果でした。渋谷区は人口23万人程の小さな自治体ですが、年間5万トンもの収集ゴミがあるそうです。人口一人あたりに換算すると217kgにあたる量。23区内で最も人口の多い世田谷区(91万人)は年間16万トンで、一人あたり換算170kg。ゴミ拾いで拾う様な少量のゴミは勿論含まない数字です。

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渋谷駅から200メートルほど、ビルの谷間に埋もれるかのように建つ渋谷清掃工場に到着。23区内19箇所で最も小さい規模(焼却能力200トン/日)の焼却工場です。高度成長期の東京にて23区内の7割ものゴミが江東区の処理場に集まる状態となり、その不公平さに他区との争いが起きました。江東区は改善が見られない区のゴミ受け入れを停止を発表し、杉並区からの搬入車には搬入阻止を一時実行した程になった経緯があります。その「ゴミ戦争」とも呼ばれた事態に東京都が打ち出した「自区内処理原則」に沿って、住宅地だった場所に平成十三年に建てられたのが渋谷の清掃工場なのでした。

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現在の渋谷を上空写真で見ると、渋谷清掃工場の立地は高密度密集地にあるのが分かります。迷惑施設とみなされて忌諱されることの多い清掃工場を渋谷に作ることができたのは、東急東横線と山手線に囲まれた陸の孤島たる土地があったからとも言え、都心環状五号線と看做される明治通り、青山通り、六本木通りと主要道路に隣接する便利な立地です。

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清掃工場の方よりレクチャーを受けた後に、ひと掴み1トンという巨大クレーンが目の前でゴミを鷲掴みにする動作に釘付けとなる子供達。縦横13m x 19m、深さ14mのバンカと呼ばれる巨大ゴミ箱と、超巨大UFOキャッチャーのクレーンです。焼却の易さを考慮して、ゴミをかき混ぜて均一化させてから燃やすのだと教わったりしたでした。ちなみにコカ・コーラの赤いベストを子供達が着ているのは此の活動のスポンサー様だったりだからします。↓動く様子の動画はコチラ。

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渋谷区の焼却炉は「旋回流型流動床焼却炉」という凄い名前の機械で、1ミリ未満の砂を大量に強風で炉内に巻き上げ続け、空中で600度以上に加熱。その熱せられた砂にゴミを投入すると瞬時に99%以上燃焼する仕組みになっているのだとか。渋谷清掃工場では燃焼による熱エネルギーで発電/販売をして年間100億円程利益があるも、清掃工場稼働にかかる費用はその5倍(メモ紛失であやふや)かかるそうです。渋谷は小規模なので、他の区内焼却工場と比較すると1トンあたりの焼却費用が3倍(3万円ほど)だというのも初めて学びました。

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150メートルの高さのある渋谷清掃工場の煙突。夢の島=ゴミを埋め立てと脳裏に刷り込まれ、ゴミ問題の”過去”は凄かったと授業で習ったと記憶しており、自宅から自転車で行ける範囲にある千歳清掃工場隣にある世田谷区立千歳温水プールはゴミ焼却時の熱で温水にしていると聞いたことがありました。そこで止まっていた自分の中のゴミに関する知識が半日で大幅アップデート。娘の教育目的で参加したゴミ拾いツアーでしたが、焼却炉の内部ツアーや説明を受けた時に脳内に点と点だった知識が線で繋がったと感じられ、自分にとっても有意義な訪問となりました。渋谷にゴミ拾いした事を娘に覚えているかと訊いてたのですが、「あ〜、なにか覚えている気がする」だけなのが少し残念なところです...