地元民には不評らしい?瀋陽のLRT「瀋陽有軌電車」に乗ってみました

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出張で訪れた中国・瀋陽にて瀋陽有軌電車に乗ってみました。有軌電車(you3gui3dian4che1)とはLRT(Light Rail Transit)とも呼ばれる現代風な路面電車のことで、国内に既存にあるものでは富山、これから新規に敷設される場所としては宇都宮あたりが有名です。この瀋陽有軌電車の路線に瀋陽空港から街中までを結ぶ路線があると渡航前に知り、これは是非とも乗ってみたいと考えたのでした。

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空港まで迎えに来ると言う先方には「中国は5年住んでいたから大丈夫アル。ホテルで待ち合わせしてご飯に行きましょうアル」と瀋陽有軌電車に乗ってみたいがために説得したのでした。空港内に掲げられている「有軌電車」の案内板に従って乗り場へと向かいました。

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空港ターミナルビル外に「駅」と思われる場所を発見!  外気温がマイナス20度と低く、時折吹く風は痛いと感じる程。10人程の人達が列車の到着を待っていたので自分も写真を撮ったりして、寒さに耐えながら待つことにしました。

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桃仙空港駅は奥体中心駅から走る2号線の終着駅らしく、航空ターミナルビル側には車止めが置かれています。何かしらの不具合で車両が止まらなくなった時の為に設置されたと思われる、第二の車止めがターミナルビル前に見えました。

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寒い、寒いと震えながら待ち続けること20分、遠方から白い車両が徐々に近づいて来るのが見えてきました。窮地の人々を助けに来たスーパーヒーローのごとく、寒さで麻痺した自分には「あの電車のなかは暖房が効いているはず」と、何やら有難いモノの様にすら感じられた神々しい姿で入線。

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この車両は中国北車(CNR)社製造の中国国産車。床下に大きな充電池を搭載しており、架線がなくとも走れるようになっています。空港駅は終点なので充電設備が備えられ、入線してきた電車がパンタグラフを上げて充電する姿を見られます。

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瀋陽空港から奥体中心まで14.8キロを一律2元の運賃で乗車できます。切符売りの乗員は見当たらず、乗車口に設置されている集金箱に自分で投入するシステムでした。地元の方?はSuicaのような非接触式の電子決済を利用している人も見受けられました。

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車内に広告等がなくスッキリとした印象。窓も大きく取られており、採光もよく明るい車内に感じられます。最高時速70キロで走る電車の窓からの車窓。飛行機から降りたばかりでパッと見るとクルマが逆走しているかのように見え驚くことがあります。

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街中に入り、終点まであと僅かにある奥体中心の前には子供達が遊ぶソリ滑りが設置されているにが目に入りました。この体育施設の横幅のある階段部分を滑り場にしたようです。うちの軟弱な子供達がマイナス15度の北海道ニセコで寒さに負けずにソリ遊びに興じていたことがあったので、こちらの子供達には大した事ない寒さなのでしょう。

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2号線の最終駅にて下車したところです。空港駅から40分ほど揺られて到着しました。終着駅にはちょうど青と白の列車が並んでいたので記念にと撮影してみました。青色の車体には1号線で会展中心へ向かう路線。右側の白は空港から自分が乗ってきた車体です。

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瀋陽滞在中にこの有軌電車の評判を会う人、会う人に尋ねてみました。驚いた事に全員(と言っても10名ほどですが)がこの電車に対して否定的な意見でした。その理由に全員が挙げていたのが「遅い」です。一駅の間隔が1キロにも満たない区間が殆どで、走り始めたと思ったらスグに止まり、進んだ気がせずイライラするのだとか。

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次に多く聞いたのが、「クルマを運転していると車線を占拠しているので邪魔」。お会いしたのが皆クルマを所有している人達だったからかもしれませんが、このような意見も聞こえました。また、二両編成車両では一度に運べる人数も限られ非効率的との指摘も耳にしました。

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聞いた話しをまとめると、人口600万人以上を有する中国東北部の中心都市たる瀋陽には、中途半端な人数を緩慢にしか運べない有軌電車ではなく、大量輸送ができる地下鉄網を充実させるべきと言うことらしいです。大都市の主要な公共交通の一角を担うには力不足なのは明らかで、地下鉄網が整備されれば無用の長物となり消えてしまう運命。

瀋陽の交通事情を殆ど理解していない自分にはその可能性を測ることはできませんが、現地滞在中に乗った計5回の有軌電車の中で、次回来る時には無くなっているかもしれないと考えながら乗車していました。