ミシン綴じノートの製本体験、娘と一緒に東海ミシン製本さんを訪問

f:id:tmja:20190716155225j:plain

絵を描くことが好きな娘と一緒に埼玉県戸田市に出かけて参りました。我が家では息子と自分、娘と妻というグループ分けが自然となされていた期間が長く普通でしたが、ここ最近は娘と自分の2人でお出掛けをする機会が増えてきました。息子が習い事やクラブで平日/週末を問わず忙しく、アホな父親に構っている暇などないというにも理由としてありそうですが、妻曰く「父親と一緒にいた方が、(母親と一緒よりも)実入りが良いと娘も理解したから」がその理由だとか...

f:id:tmja:20200219095041j:plain

訪れた戸田市は板橋区/北区と荒川を挟んだ埼玉県側の地域です。東京都・大泉インターチェンジと千葉県・高谷ジャンクションまでを結ぶ都心15キロ圏を結ぶ東京外環自動車道と、首都高速埼玉大宮線が交差している場所(上地図)が首都圏の交通状況アナウンスでも名前をよく聞く美女木ジャンクションで、"高速道路"上に信号機がある場所としても有名です。都心にほど近く、高速へのアクセスの便利さにより印刷、倉庫、運輸業が集積している産業地区となっています。

f:id:tmja:20190716155230j:plain

この日に娘と訪れたのは「東海ミシン製本工業株式会社」さんという製本会社。昭和二十四年(1949)に東海ミシン商会の屋合で東京都台東区にて産声を上げ、日本初の紙用ミシンの製造/販売を開始。銀行通帳製造なども手掛け成長してきた企業です。日本に初めてミシンが伝わったのは、黒船で有名なペリー提督が1854年に将軍家に贈ったのが初めと言われており、輸入品から国産品の発達へ、戦時中は生産を統制されるも、戦後には繊維産業が日本の主要産業になるのに合わせてミシン生産が最も興隆した時期を迎えた頃でした。

f:id:tmja:20190716155236j:plain

その東海ミシン製本工業株式会社は絵本製造を主に現在手掛けています。展示されている古いミシン機とショールームに飾られた本を手に取ると、ミシン綴じの上製本(ハードカバー)を得意としているのが分かります。絵本がどのような場所で製本されているかを考えた事は一度もなかったので、それが分かっただけで訪れた収穫があった気分になりました。

f:id:tmja:20190716155233j:plain

娘は絵を描くことや工作が好きで、何かしらのものを日々作っています。そんな娘にノート造り体験をさせようというのが訪問の趣旨でした。作業場は「BLUE COLLAR CRAFT」と名付けられた工房です。COLLARはシャツの襟意味する英語なので、肉体労働者のことを示す言葉です。製本作業は一般的に単純肉体労働と看做されているのを前提とした名前で、そこに新しい風を吹き込みたいいう意図が工房名に感じられます。製本作業は出来上がりを考えながら沢山ある表紙、裏表紙、本紙、糸、カバー等を選んでいく事に始まります。

f:id:tmja:20190716155245j:plain

ノートの中身(本文)はコットンスノーホワイトが良いな等、父親の口には出さない要望は全て無視されました(*Ü*) 娘の直感にて選ばれた材料は表紙や本文等が順番の積み重ねられて、工房の方のスーパーアシスト(ほぼ全部やって貰う)もありカチャカチャとのミシン音と共に縫い作業が無事に完了。その時に撮影した動画を↓下に掲載してみました。

f:id:tmja:20190716155241j:plain

縫い終わった物にローラーをグイグイと押し当てて、大きさを整える為に裁断機でバサッと...。製本に新しい風吹かせようと新しい事に挑戦をされている素晴らしい方々に助けられ、娘は全体重をかけても切れない作業を手伝って頂いて貰いました。やはり治具があると作業が早く、且つ正確です。

f:id:tmja:20190716155249j:plain

f:id:tmja:20190716155223j:plain

f:id:tmja:20190716155915j:plain

「BLUE COLLAR CRAFT」と箔押しされたビニール製のノートカバーに、出来上がったノートをグイグイ入れて、ゴムバンドをかけるとオリジナル・ノートが完成です。画像/デザインを送って"オリジナルノート"をノベルティ品等としてくれるお店や、表紙紙や本文、留め具等をお店で選んで作って貰えるお店もありますが、こちらはミシンがけと裁断を自分の手でできるのが"体験"として優れていると感じさせられました。中ミシン綴じであるのがノートの背中に見えるようになっています。実に通好みなお絵描き帳となりました。

f:id:tmja:20190716155238j:plain

続いて、娘は母親へのプレゼントとして御朱印集め用の御朱印帳を作ることにしました。妻の御朱印集め歴は20年を超え、昨今の御朱印ブームに苦言を呈したくてしょうがない一人です。御朱印に絵柄入りはモチロン論外であり、参拝日等が入るのにも眉を顰めるほどの御朱印原理主義者?です。

f:id:tmja:20190716155253j:plain

f:id:tmja:20190716155219j:plain

先程のノート製作と比べれば御朱印帳は簡単です。何せ、表紙と裏表紙、蛇腹式本文だけで出来ているのですから。表紙も既に段ボール紙に飾り紙が折られている状態なので、本文と糊付けするだけと作業も実に単純明快。黒猫の表紙だけでは少し殺風景なので、バンドで朱色彩りを添えて完成です。

f:id:tmja:20190716155206j:plain

この日に作ったノートと御朱印帳持って御満悦な娘。ノートと云うと購入する物だという固定概念がありますが、現在は各種多様な紙が容易に入手できるので、表紙はプリンター印刷か手描きで準備して、ノートに厚みを求めなくても良ければ手縫いでも充分できそうだなと思ってしまいました。

f:id:tmja:20190716155210j:plain

f:id:tmja:20190716155216j:plain

更に頂いたミニ・ノートに好きなハンコを押しまくり、「ねこじま」ノートなる物も作っていました。此方もミシン綴じが施されています。娘はこれまでに紙漉き体験は何度もしているので、娘がもう少し大きくなったら、綿布をキャンバス木枠にタコ糸で張って、胡粉を膠で溶いたものを綿布に塗りこみ下地を作る古典的なキャンバス作りを教えたいと考えています。また、機会があれば娘をロンドンで製本印刷が学べるLondon Centre for Book Artsにでも連れていって、そこで色々な体験させてやりたいとも思っていたりします。

f:id:tmja:20190716155922j:plain

出来上がったノートや、各種イベント等のチラシが入った袋を両手に抱えて帰りました。実際には「もう歩けない」と言いながら娘は直ぐに疲れたフリをしたので、娘ごと抱えてクルマを停めていたショッピングモール(500メートル程の距離)まで歩いた記憶があります。子供というのは大きな未来があって羨ましいなと感じ事が多々あります。簡単な作業をする時にも、一生懸命な眼差しで取り組む姿を見るのは親として嬉しいものでした。