神戸のオーベルジュ・神戸北野ホテルに独りで片泊まり

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兵庫県に行って参りました。定番の関西出張にて今回求めた宿は煉瓦造りの洋館・神戸北野ホテルです。ニューヨーク・グランドセントラルのキタノと東京平河町の北野アームスと同じ系列のホテルだと信じきっていて、フロントでニューヨークの定宿キタノの話し持ち出すと、「神戸北野ホテルとは全く別会社」との強烈なカウンターを貰ったのでした。

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ニューヨークのキタノホテルは長野市の北野建設(創業者の名前に由来)が元で、神戸北野ホテルの"北野"は異人館等の観光名所となっている北野町の地名に由来するとその時に初めて知ったのでした。思い込みというのは...。東京駅にある神戸北野ホテルの系列イグレック(igrek)はKではなく、フランス語の"Y"の意味なので、どうも名前に筋が通らないと最初は感じたのですが、総支配人・山口浩氏の頭文字なのでしょう。

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部屋数30のこじんまりしたホテルの入口です。神戸北野ホテルは開業当初は都市型の豪華な小規模ホテルとして近鉄/東京海上保険の共同事業として開業。阪神淡路大震災にて3年近く休業を余儀なくされるも、日本の旅館に相当する宿泊施設付きレストラン(オーベルジュ)として再び開業したのでした。

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2階吹き抜けのロビーに入ると、生花とシャンデリアの華やかな空間が出迎えてくれました。ロビーの生花はそのホテル特徴が見られる舞台でもあり、老舗ホテルによく見られる日本的なモノから、外資系の和モダンなモノまで何処のホテルを訪ねても楽しみにしていたりします。

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鮮烈な色合いで目を奪われてしまう真っ赤なビロードのソファーも艶やかですが、ロビーに敷かれた絨毯はどれも目の細かい良いものばかりで視線を奪われてしまいました。中国西部やインド北部で買い求めた古い植物染めの絨毯を無造作に我が家は敷いていますが、イラン等の中近東物は品があって良いと再認識させられてしまいます。

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イギリスのマナー・ハウス(荘園領主宅)を模しているらしく、余暇に用いるチェス板が組み込まれた机が置かれており、その下にも同系統の絨毯が置かれています。メダリオン、ペイズリー、パルメットと様々な模様の絨毯がロビーにあり、このホテルのオーナーシェフ・山口氏(もしくは奥様)が絨毯好きなのだろうかと思わず推測してしまいました。

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1階から5階まで続く螺旋階段。三角おむすびの様なカタチでグルグルと渦巻いています。深紅の絨毯が階段中央部にピッチリと敷かれており、同じく神戸市にある舞子ホテルの赤い螺旋階段とも違った雰囲気で面白いものです。

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凝ったデザインのドアノブをまわして入室すると、角部屋のダブルベッドルームでした。このホテルの内装は宣伝文によると部屋ごとに幾分変わっているのだとか。おそらくは布製品に違いが表れているのでしょう。カーテンの上飾りが自分には煩い嫌いがありましたが、娘が気に入りそうな雰囲気です。置かれている家具も古そうな感じを出していました。

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専用カプセルで淹れるネスカフェのドルチェグストがありました。ミルで珈琲豆をグリグリしてからお湯をユルユル注ぐのでなく、カプセルぽんのスイッチ・オンと簡単仕様なのが少し残念です。それに反して、部屋の鍵は現在一般的なカード式ですらない古風ないでたち。部屋のドアノブ付近の鍵穴にガチャガチャする仕様です。

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入口の取っ手もウネウネした流線型で、凝った造りになっています。小スペースながらも洗い場のある風呂場で、トアロードからの冷気が大きな窓を通して伝わって来ました。シャンプーや石鹸等のアメニティの一式は仏クラランスのもの。

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翌朝の部屋から眺めるトアロードです。正面には神戸北野ホテルの売店「イグレックプリュス ホテルブティック」。店舗名IGREKPLUSを初見で噛まずに読める人は凄いなと思ってしまう様な名前です。右手の白いビルには土屋鞄製造所の路面店。覗いてみたのですが、ランドセルは一切置いてありませんでしたヾ(・ω・`;)ノ。

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館内はどこもかしこも白と赤を基調にした空間が広がっています。自然光を採り入れるために大きな窓が多く用いられており、朝の気持ち良い冷たい空気が館内にも届いているかのようでした。このホテル内のダイニング「イグレック」では、国内では神戸ベイシェラトンホテルにミシュラン三ツ星レストラン「ラ・コート・ドール」の日本支店を出した著名料理人ベルナール・ロアゾー氏の「世界一の朝食」という名前の朝食が供されると宣伝されているのをよく耳にします。

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此方がその"世界一の朝食"です。ブルゴーニュのラ・コート・ドールで働き、神戸のラ・コート・ドールで料理長を勤めていた山口浩氏は、神戸北野ホテル開店の記念にベルナール・ロアゾー氏より公式に「世界一の朝食」を贈られます。飲むサラダが中央に並び、リモージュの皿に盛られたクロワッサン、自家製ジャム、タピオカオーレ、ハム、ヨーグルトに果物等など。半熟卵のエッグカッターがこの後に出てきて、ガッシャン、ガッシャンと景気の良い音が各テーブルから響いていました。こういう華やかな食事は独りでしてはいけないと思いました...。

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個人/家族経営の優良施設紹介を主眼に置く「ルレ・エ・シャトー」の冊子が室内に置かれていたので、神戸北野ホテルの頁を開くとオーナーシェフの山口浩氏の写真が大きく掲載されていました。国内では19軒のルレ・エ・シャトー加盟ホテル・レストランがあり、誰もが知るような有名どころが並んでいます。

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明るい日差しで目にすると外壁の煉瓦はイギリス積みだと判ります。オーベルジュは日本の旅館と同じく宿泊施設の付いた食事処が基本概念なので、お茶、夕食、お酒、朝食と順を追って愉しむ場所です。今回の様に夕食を外で済ませてからチェックイン&朝食だけを独りで頂くのは筋が悪く、自分はホテルの目指す雰囲気を壊したのではないかと少し反省しました。