昔ここは海だった、いわき市アンモナイトセンターで化石体験発掘

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少し前の話しですが家族で福島県いわき市に行って参りました。実際の地層での体験発掘が面白いと聞くアンモナイトセンターが目的地で、いわき四倉ICを降りて比較的すぐのところにありました。常磐道を走っている最中は子雨が水戸あたりまで降っていたので心配していましたが、現地に到着したときには運良く降り止んでいました。

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アンモナイトセンターのある福島県南部の海岸沿いは、8,000年前には大洋に望むアジア大陸の東端だった場所らしく、国内初の首長竜「フタバスズキリュウ」が白亜紀の地層よりが昭和四十三年(1968)に発見された場所です。福島第一原子力発電所から30キロと少し南に位置する、地震、津波、火災、放射能と多くの災害に見舞われた事で有名な久之浜市街地より大久川を遡った場所に「フタバスズキリュウ産出地」があり、アンモナイトセンターは更に上流側にあるのでした。

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いわき市では明治初期より開発の進んだ磐城炭田の調査時に発見されたアンモナイト等の化石、上述の国内初となる首長竜フタバスズキリュウ発見という"化石の里"と看做される拝見を持っていました。昭和六十三年(1988)に始まった政府の「ふるさと創生事業」にて、同じ福島県内ではUFOの里(福島市)や、若妻の翼(飯館村)と色彩豊かな案が実現され、いわき市では公募にて「海竜の里事業」が推進される事となり、「海竜の里センター」とアンモナイトセンターと後に名前を変える「化石露頭観察施設」が建設されることとなったのでした。上の写真はいわき市のもので、現在のアンモナイトセンターとなる場所を試し掘りしてい場面です。
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この斜面ではアンモナイト等が化石が集中して発見され、地層を屋根で覆って露頭観察施設としました。緩巻き楕円形のゴードリセアスやら、この辺りで沢山見つかるメソプゾシア等いろいろな種類のアンモナイトが地層に張り付いている?のを目にする事ができます。「なぜ大量に集まっているの?」という子供の質問に、「アンモナイトは子供を産むと死んでしまうんだよ」と咄嗟に応えてしまったのですが、あながち間違えではなかったかも知れません。北海道で見つかった全身骨格「むかわ竜」と同じ大型草食恐竜ハロドサウルスの化石も写真には写っており、海底100メートルぐらいの場所だったのか、陸地に近い水辺だったのか想像が難しい...

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そうそう、アンモナイトセンターには化石掘り体験をしにやって来たのでした。初めに30分ほどのオリエンテーションがあり、簡単な化石のレクチャーがありました。中生代を代表する螺旋状の貝類・アンモナイトの貝殻とも云うべき部分は世界中で発見されているものの、その中身となる軟体部は化石として残らず、恐竜と共に絶滅した時に全て消え去ってしまったのだとか。なので、館内の模型や絵の姿は想像の産物でしかなく、もし発見した場合にはノーベル賞ものだとセンターの係りの人より説明がありました。

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アンモナイトセンターの隣りにある発掘現場、地層(露頭)が見えてきました。つ先程目にした"露頭"と地続きとなっており、見ての通りに結構な斜面での作業となります。あちらで化石が沢山出ているならば、コチラでも沢山と夢が膨らんでしまいます。金槌、鏨、防護ゴーグル、ヘルメットは無償貸出(入館体験料に含まれる)ですので、軍手と汚れても良い服装を持っていけば参加できました。体験発掘ではアンモナイトを初め各種化石が出てくる事もあり、運良くフタバスズキリュウの様な「世紀の大発見」なる新種を見つけられたら、化石現品はアンモナイトセンターに名誉の没収となるものの、その名付け親になれるのだとか。

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目の前は8,000万年前の石くれ。与えられた時間は一時間足らず。この硬い層をカンカン叩き続けていきました。金槌持って日々を送っている訳ではないので、慣れない作業で腕が使い物にならなくなるのが目に見えるので、(運転を続ける必要がある)自分は適当にサボりながら参加する事にしたのでした。体験型が好きな子供達は言うまでもなく、奈良で泊まり込みでの遺跡発掘の経験はあるも化石掘りは初めてと妻もヤル気満々。周囲には家族で定期的に発掘作業に来ている人達もおり、ギラつく太陽の下で作業を開始したのでした。

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過去には体験者が50センチ級のアンモナイトや恐竜の化石を発見したこともあると聞き、一心不乱に叩き続ける息子はイノセラムス(二枚貝の化石)や巻貝等を見つけたのに気を良くして、時間終了間際まで頑張っていました。簡単な目標を与えると、猪突猛進する典型的な男の子です。大理石を多用しているホテル等で壁内に見える化石を探せ命令をしたら、結構な数を見付けてくるのではと思ったのでした。

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係員さんより「切り立ったところで、壁面を見ると小さな黒や白の点々(貝殻)が集まっている場所が狙い目」との説明を聞き、その通りの場所を探す娘の写真。勢いしかない兄と比べて、コツコツ作業が得意な娘はコンコン、コンコンと地道に探し続けるも何もめぼしい化石は発見できず。発見できないだけで、地面の下には見た事も聞いた事もない太古の恐竜の化石がゴロンゴロンと埋まっている筈なのですが上手くいかないものです。

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エナメル質で艶があるので目立つクレトラムナ(サメの歯)を息子がお持ち帰り(*Ü*)/ サメの歯の化石が沢山ここにあるのは、おそらくですがサメがアンモナイトを襲った時に噛み付いて取れたかららしいとの推測があるのだとか。アンモナイトにとっての産卵場、それを捕食する鮫クレトラムナにとっては狩り場だった海が8,000万年前のアンモナイトセンターだったのかもと思うのでした。