ワンダーグローブ熱気球教室で体験搭乗&バルーンドーム@茨城空港

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茨城県に息子と行って参りました。寝ている息子をクルマに放り込み、自宅を出発したのが午前3時過ぎでした。常磐高速を降りて暗闇の中を走り続け、ひと休憩&時間調整をするために24時間営業コンビニエンスストアに立ち寄り。クルマが停止したのに気が付いたのか、息子が目を覚まして先にお店に突入。お店の従業員と会計時に話しをすると「小さな子供が(夜明け前に)独りで入ってきたので驚いた」と言われてしまう時間帯に現地入りしました。

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地元住民優先と思われるイベント・「ワンダーグローブ熱気球体験教室」にダメ元で応募してみて、「お申込みの結果、ご希望通りにご参加いただけることになりました 」との文面が書かれたメールが入電。集合場所は茨城空港臨時駐車場とあり、集合時間は早朝6時と指定されていました。小美玉市は東京から約100キロ程に位置し、ニラや納豆等の農業が盛んな土地で、手漉き和紙で不可欠なトロロアオイの全国生産のうち9割は此処で生産されていたりします。

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茨城空港は霞ヶ浦北岸に位置しています。首都圏防衛の要と言われる航空自衛隊・百里飛行場を間借りするカタチで、基地の滑走路を二本に増設する時の交換条件として2010年に軍民共有空港として開港しました。現在はスカイマークが新千歳、神戸、福岡、那覇への定期路線を持ち、春秋航空が上海、イースタージェットがソウルへ、タイガーエアが台北よりそれぞれ就航しています。一時期は首都圏第3空港として茨城空港が脚光を浴びた時期もありましたが、羽田空港の北側よりの侵入許可、成田空港の第三滑走路建設と既存2大空港の受け入れ容量増加に目処が着いたからか、騒がれることも少なくなった印象があります。

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茨城空港には旅客ターミナルの目の前に無料で2週間まで利用できる大駐車場があり、同ターミナルの南側には1,800台分のスペースを持つ臨時駐車場(空き地)も用意されております。今回のイベントはこの臨時駐車場が会場となっており、現地に到着した時には既に熱気球の準備が既に始まっていて、バスケットにバーナーが既に取り付けられていました。

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熱気球は液体プロパンガスを強制気化させ熱源とし、その火力は家庭用コンロの100倍以上。熱気球の内容積2,000m3の空気を常時加熱し続ける必要があるので一般家庭の1ヶ月の消費量を1時間足らずで使用してしまう大喰らいぶりです。上部のコイルはステンレス製で、下部のバルブは真鍮やアルミ削り出しブロッグが用いられています。上の写真はギャラリーにサービスでグォーと炎を見せている訳ではなく、バーナーが正常に稼働しているかを確認している点検作業です。

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球皮を傷付けないために大きな敷物を地面に置き、球皮袋に収納されていた球皮を取り出します。膨らむと横幅15メートルにもなる大きなモノで、これだけで100キロ程の重さがあったりします。人が乗るバスケットや各種用具の重さを加えると合計300キロ。国内で一般的な熱気球は500キロ程持ち上げられるので、差し引き200キロ程が搭乗できる人の総体重。

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気球を膨らませるにはある程度の人数が必要です。開口部の左右を持って球皮の口を広げている役目、風を送り込む役目、気球頂点からのロープを抑えて気球が浮かない様にする役目、全体の指揮を採る役目。昔は人が球皮をパタパタさせて風を入れていましたが、現在はガソリンエンジン駆動の送風機であっという間に気球を膨らんでいきます。

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横倒しの状態で気球が7割程膨らんだのを確認すると、バーナーでグォー、グォーと熱風を球皮内に送り込んで気球内の空気を加熱します。飛行時の空気は80-100度とカナリ高温となる程です。熱気球には空中でのバーナーよりの伝熱効率を上げる為にスカートが取り付けられているモノが多く、膨らませる時は自ずとスカートが邪魔にならないようにと地面に敷かれているにが見えるかと思います。

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この気球は地球を模したデザインで「ワンダーグローブ号」と名ずけられた機体です。地上で抑えていたグランドロープを緩めると、本物の地球の85万分の1のサイズながらも、巨大な地球儀が徐々に立ち上がる姿はまるで壮大な景色を眺めているかのようでした。これ迄にも何度か見かけたことのあるカウボーイハットの指導員の方が、子供達に自分達の国が見える場所を教えたりしていました。

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学校の校庭でワンダーグローブ号を立ち上げ、屋上から宇宙飛行士の視線で地球を眺める体験を通して地球のスケールや環境を考えさせる、ワンダーグローブ・プロジェクトと名付けられた活動は、日本全国だけでなく世界にも及んでいます。申し込み時にボンヤリとは気が付いていましたが、実物を目にして、「ワンダーグローブ熱気球体験」のワンダーグローブはワンダーグローブ号だったと思い出してハッとなったのでした。

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立ち上げたばかりの気球が風に煽られそうになるのをスタッフの人達が必死に押さえています。手前のワンダーグローブの立ち上がりの姿に気を取られていて気が付かなかったのですが、敷地の奥では見覚えのある機体の立ち上げがおこなわれておりました。向こうの機体は埼玉県所沢航空公園で係留飛行体験をした事のある熱気球だと、自分より先に息子が気が付いたのでした。

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順番での係留体験の開始となりました。クルマを重しとして四方にロープを張り、気球が規定の高さ以上に飛ばないように確りと押さえつけています。地上高にして15メートル程(5階ビル)でしょうが、気球そのものが20メートルある為か高くに浮いているように見えてしまいます。目と鼻の先が軍民共用の茨城空港敷地なので、よく空港側がこの場所での係留飛行許可を出したなとも思ってしまいました。

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自分達の順番が来て、バスケットに息子と乗り込みます。気球に乗り込むのは重しの効く成人男性が最初となり、成人女性&子供達が続いて乗り込む順番となります。バーナーの傍はさすがに熱さを感じ、夏場のフライトであったならば少しゴメンしたいと思わされる熱とバーナーを焚く轟音が耳元で響いていました。

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これが上空からのワンダーグローブ号の眺めです。熱気球は球皮内を効率良く加熱するために、開口部を絞った"逆さ雫"のかたちをしているので、若干縦長な球体をしています。上空からは空港の大きな敷地と眼下の参加者達の姿が小さく見えました。この機体は星空のよく見える場所で夜間係留をすると、本物の宇宙に浮く惑星のように見えそうだなと上空で考えてしまっていました。

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体験搭乗の姿を離れて見るとこんな感じです。参加者名簿に自分の名前を記入した時に気が付いた事がありました。自分の苗字は余り一般的ではなく、全国でも500名程しかいない程です...。自分達の住む自治体の区でも同じ苗字は4人(=我が家4人だけ)という状態なのですが、名簿には小美玉市在住の親子2名の方が同苗字でカナリ驚いてしまいました。

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係留飛行が終わると、空気を抜かれて萎んでいってしまう気球・ワンダーグローブ号。その悲しい姿は地球最後の日にすら見えてしまいました。気球の頭頂部には手動で開閉できる排気弁があり、そこを開放状態にして扇風機で空気を球皮より追い出していく作業がなされていました。気球は上空だけでなく、地上でも風を上手く使うのがコツのようです。

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東村山に拠点を置くJBSのAirB号をスタッフの指示に従って、子供達が寄って集って畳んでいきました。フランス・アノネーに生まれたモンゴルフィエ兄弟により、現在から200年以上前の1783年に人類初の有人飛行をしたのは熱気球による飛行でした。飛行船や航空機の発展により貴族等の極一部の遊びとなっていた熱気球は、化学繊維の発展と安価なプロパンガスの普及により手軽なスカイスポーツとして復活を戦後に遂げ、この日のイベントでは子供達が空を飛ぶ楽しさを教えていました。

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昼食後には舞台を体育館に移りました。ここでは和紙で拵えた小型気球を用いて、小学四年生で習う「空気は温めると軽くなり上昇する」の実験がおこなわれました。このページの写真に何度も登場されているJBS社代表の町田社長による説明がありました。現在では佐賀県の代表的イベントとなった佐賀バルーンフェスタを盛り上げるキッカケともなったアジア初の熱気球世界選手権を誘致した人でもあり、日本の熱気球へ多大な貢献をされた方です。

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膨らませた紙風船が目の前でふんわりと浮かんでいく様子に子供達は大喜び。親達も「飛んだ、飛んだ」の歓声の声。こちらも三国志の諸葛孔明が敵将・司馬仲達に包囲された時に、援軍を求めるために天燈を放ったのが初めとの伝承があります。史実だとすると1,800年以前の事でした。早朝に実物の熱気球に乗ったばかしですので、子供も大人も興味の持ち方が違い、みな前のめりで話しを聞いていました。

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飛行場の臨時駐車場で閉まったばかしの気球・AirB号を体育館の中で再び全員の手で広げています。おこぼれを狙うカモメが沢山上空を舞っていれば、浜辺で地引き網をしているかの様にも見えなくもない風景です。気球も地引き網も、沢山人達の協力が必要です。

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広げた球皮に強力扇風機で風を送り込み膨らませると、内部はステンドグラスの様な色世界。このイベントは息子も愉しいと感想を漏らしていたので、早朝3時に出発して連れてきた甲斐があったと言うものです。自分自身もスカイスポーツにハマった愛好者の一人として、これだけ多くの子供達の目を輝かせられる熱気球の魅力に気が付かされた一日でした。