間伐材の伐採、薪割り。子供向け林業体験に参加してみました

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埼玉県北西部に広がる秩父地方は東京、山梨、長野、群馬と国境を接する場所にあり、市域のおよそ9割は森林に覆われており、多くは秩父多摩甲斐国立公園や埼玉県立公園の区域に指定を受ける緑豊かな地方です。我が家は秩父には何かと縁があり、今回は現地で開催された環境教育イベントに空きがあり家族で参加させて頂いたという話しとなります。

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4-500年の歴史ある手作り農民ロケットを飛ばす「龍勢祭り」で有名な下吉田地区。その下吉田地区を通り過ぎた更に西の上吉田にある「山逢の里キャンプ場」が集合場所でした。首都高から関越経由で北側より秩父盆地に向かい、自分達がよく訪れる小鹿野に行く手前。自宅からは2時間以上かかるので、子供達の出発前のいつものグズグズもあって集合時間ギリギリにキャンプ場に到着したのでした。

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11月も中頃とでしたので落ち葉が沢山、自動車の左右のタイヤでできた轍の後を案内の方に付いて歩いていきました。秩父の山地は狭い範囲で標高差があり、秩父の山奥にはシラビソの原生林が生える亜寒帯から、美しい紅葉を見せるブナ林の冷温帯、スダジイ等が見られる暖温帯と植生豊かです。この日の目的地は人里に近い丘陵地の麓、北斜面の雑木林のなかを歩いてのコースでした。朝10時集合で日は昇っているも北風小僧の寒太郎が飛び回る寒さで、道端の落ち葉はまだ凍っている程でした。

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途中で見つけた灰褐色のクヌギに取り付くカミキリムシ(ゴマダラカミキリ)。オスメスの見分けるポイントとなる触角と左前足がないので性別は不明。強力な顎を持ち、木の幹などを傷付けて産卵し、幼虫は幹の芯部に向かって食害をするので害虫と見做されることが多い虫です。

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沢山の杉が植えられている斜面に到着しました。秩父盆地の丘陵地は昭和に入るまでは雑木林か松林ばかしだった筈なので、国内の他の山地と同じく戦中戦後の木材需要で装いを大きく変えたようです。此処で間伐体験をするとのことで、講師役の男性が電動ノコで先ず一本切り倒してくれました。うちの子供達は杉と檜の差も分からないので、講師役の隣りの山となっている木材の断面や、植生の違いにより山の上の方に植えてあるのが檜で下の方は杉など見分けを教えようとしたのでしたがダメでした。たぶん理解したのは杉より檜が金銭的に高いということだけ...

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講師役の男性の指示を受けながら息子も一本切りました。ノコギリをギコギコして幹の2~3割ほどの「受け口」を作り、真反対側から受け口より少し上に「追い口」を作っていき伐倒しました。子供向けの体験ですから倒れる方向をコントロールするためのロープが張られていました。切り倒した木に括り付けてあったロープで引っ張るも隣接する木に上部が引っ掛かってしまい難儀。最後は綱引きでもするかの様にして車道まで降ろされていきました。

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 切り倒した木は、回し挽きノコで幹をギコギコと切断。切断面には春から成長した部分の早材と夏から成長した晩材がセットとして1年を示す年輪がハッキリと見られ、この木は十数年モノと子供達は数えて遊んでいました。北海道から沖縄まで日本国内では木の断面=年輪があるというのが常識だと思うのですが、東南アジアやアフリカなどの熱帯地域では年輪のない木材が多く実物を見てビックリしたことを子供に言ってみたのですが、上手く伝えられず撃沈...

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おっきりこみやえびし等の秩父のごっつぉお料理ではありませんでしたが、おにぎりにコンニャクの味噌田楽、けんちん汁の昼食を頂きました。数日前に捕獲された鹿肉も罠猟の話しと共にふるわれていました。

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上の写真は別の機会で秩父を訪れた時に、路上で日本猿にクルマを囲まれた時に撮影した写真です。キーキーと高い声を張り上げ、一匹はクルマのドア脇まで迫って来ました。秩父地方も他の多くの地方と同じく猿や鹿、猪等による獣害が深刻で山間部の樹木破壊やら人里の耕作地までが荒らされており、その被害は年々増すばかしとなっていたりします。秩父市も狩猟期間を問わずの有害駆除を市街地を除く市全域で推奨し、猿90匹、猪150匹、鹿500匹を目標値に掲げています。

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食後にはキャンプ場での活動が待っており、MTD社のエンジン駆動・薪割り器が登場!!  手動の斧よりも、手動式薪割り器よりも、エンジンがドドドと唸る自動式薪割り器には男の浪漫があります。息子もレバーを操作するだけですがバリバリと木材を真っ二つにする体験をさせて頂きました。

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息子がバリバリしている間に、娘は松ぼっくりに南天の実、松の葉、ツタなど山の産物でリースを作りです。このリースはこの年の年末年始の玄関飾りとなりました。

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そのリースを被った息子が何処からか唐棕櫚の葉を拾って来て、傘代わりにして遊んでいました。掌状複葉の棕櫚はヤシ科の植物で温帯地方の植物なのですが、温暖化の影響でか都心部の公園は言うに及ばず、関東の山間部でも自生する姿を見るようになっています。その反対に寒い地方の植物である樅の木は山から姿を消している様に感じます。世界遺産に登録されている白神山地のブナ林もシュミレーションでは30年後には壊滅しミズナラやコナラに置き換わると予想され、声高に環境保全が叫ばれ続けてられています。そんななかで、森や林業への理解促進を目的とした(子供向け)体験会に今回は参加してみたのでした。