寝台特急・北斗星、ブルートレイン(函館→上野)に初めて乗車

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2007年の元旦、妻と自分の二人は北海道での年末旅行を終えて、東京への帰路に着くために函館にいました。この晩に函館駅を出発する寝台列車に乗るのが旅程の最後項目にあり、函館山からの夜景を愛でてから、夕食や買物をしながら夜9時半に札幌からやって来る列車を待っていたのです。

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私の妻は鉄分が結構多めで、廃線の駅舎ホームに立ち、「いまにも電車が走って来そうだ!」と独り興奮していたりする人間です。この日も青い車体が函館駅のホームにに入線してくる勇姿を、姿勢を正して迎え入れていました(≧▽≦)ゞ 

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青森県と北海道を隔てる津軽海峡に青函トンネルが開通した昭和63年に寝台特急・北斗星は走り始めました。上野駅と札幌駅間の1,214.7キロを結ぶ深夜便で、食堂/ロビーカー/個室寝台を有し、平成15年に惜しまれつつ運行停止するまでの27年間を首都圏と北海道の間を走り続けました。北斗星というと何やら哀愁を帯びた名前の夜汽車という刷り込みがあるのか、どうも特別なものらしく、鉄道ファンの羨望の的だという認識は当時の自分も持っていました。

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函館駅での停車時間がそこそこ長かったので、冬の北海道の寒風吹きすさぶプラットフォームを反対側のED79形電気機関車まで歩き、その力強い姿を撮影。特急北斗星・上野行きの表示はどこか誇らししく、青い車体には金色の紋章マークがありました。Sapporo 539 Tokyoと書かれている539の意味は青函トンネルの長さ53.9キロにも及ぶ海底トンネルの距離。 B寝台と書かれた車両の入口に入ると、北斗星の鉄の匂いに囲まれてご満悦な妻を先頭に乗車しました。

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北斗星の食堂「グランシャリオ」には予約制夕食の終了後(21時以降)に、パブタイムと呼ばれる食事やお酒を楽しめる時間帯が設けられています。北斗星に乗り込んでスグに車内探検に出かけた妻と自分は、知らなかったとは言え大変失礼な事をしてしまったのでした。本来であれば食堂隣接するロビーで順番待ちをしなくてはならないところ(5人以上がロビーで待っていたと記憶します)、ロビー車の次は何があるのかと扉を開けたところにレストランスタッフが現れ、「どうぞ、こちらに」とタイミング良く案内を受けてしまったのでした。怖くて振り返れなかったのですが、恐らくはロビー車で待たれていた人達は優雅なロビーで鬼の形相だったはず....。

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旅情を感じられる寝台特急・北斗星の連休時の予約は普段以上に取りづらく、乗車日1ヶ月前にびゅうプラザで自分達がナントカ確保できたのが「B寝台2人用個室デュエット」でした。ベッドの寝台幅70cmと狭く、頭上の部分が大きく出っ張っているので、お世辞にも広々とした空間とは言えず、2人で使うにかなり手狭な印象を受ける個室でした。「さっきは偶然とは言え驚いた、待っていた人達に悪いことをしてしまった...」等と話しながら、流れる夜景をツマミに缶ビールで乾杯をしていました。

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食堂車グランシャリオは2+1の座席配列で、赤いテーブルランプが置かれた窓際の二人掛け席で翌朝の朝食を頂きました。自分達が食堂車に入ったのは仙台・福島を過ぎて、宇都宮へと向かう途中でした。写真でも伝わると思いますが、食事自体は何処にでもある品々でしたが、それでも、食堂として製造された専用車両で食事ができるのは特別な感じがありました。旅客機の上級クラスと同じく、街中ではカプセルホテルのベッドと普通の食事も、上空ではファーストクラスの豪華座席に豪華メニューとなる魔法の空間。

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流れる風景を眺めながら、食後のコーヒーを頂きました。首都圏に列車が入ると、青い列車の乗客達も夢見心地な気分から徐々に目を覚まして現実へに近付いていくかのようでした。宇都宮、大宮で降りる人達もおり、だんだん乗客減っていく様子は、愉しかったお祭りが終わりを迎えているかのような気分になってしまいます。

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見知った近郊の駅を次々と通過していき、北から南下を続けた北斗星はついに最終目的地・上野駅に到着。長い時間を車内で揺られていたので、揺られる感覚が降車後も暫く身体から抜けず、北斗星の余韻を楽しめた記憶が残っています。