ザ・デイビスバンコク、タイの元MP王チューウィット氏のホテル

f:id:tmja:20200512143656j:plain

バンコク中心部スクンビット・ソイ10。このバンコクの中でも最も地価が高い思われる場所に私設公園「チューウィット公園」があります。もともとはビアバー等が集まるスクンビット・スクウェアという飲み屋街だったらしいのですが、デイビスグループを牛耳るバンコクの風俗王チューウィット・ガモンウィシット氏が建前上4つ星ホテル、おそらくはマッサージパーラー(MP)建設の為にこの土地を購入。既存の商店主達が示した強い立ち退き反対に直面し、チューウィット氏は600人を雇い、ブルドーザーでスクンビットスクウェアに立つお店を一夜にして破壊したのでした。

f:id:tmja:20200512143637j:plain

警察の取り調べを受けたチューウィット氏はこれを不服とし、長年に渡る警察上部の人間への賄賂と彼のマッサージパーラー無償VIP待遇を公にして、警察と戦い続ける年月を送る事になります。事件の後にチューウィット氏は風俗店を売却し、スクンビット・スクウェアは自分の名前を冠した私設公園とし、政治家に転進。バンコク都知事選に2度挑戦するも惜しくも落選、下院選挙に初めて当選した翌年に選挙規定違反で失職。2011年には「タイを愛する党」を自ら立ち上げて下院選にて4席を獲得し、自らも当選。バンコクの元風俗王にして下院議員という異色の政治家の公園なのでした。

f:id:tmja:20200515174904j:plain

f:id:tmja:20200515174924j:plain

そのチューウィット公園からスカイトレインで2駅、直接距離にして1kmと少し離れたスクンビット24にザ・デイビス・バンコク(The Davis Bangkok)があります。自分の記憶が正しければ2003-4年頃の開業。ヨーロッパ調の外観とバリ風な内装で、バンコク初のブティックホテル開業という触れ込みを耳にしていたので気になっていたホテルでした。その煌びやかな装いは魅力的だったのですが、オーナーがオーナーなので噂を気にして宿泊の選択肢から外し続けていました。

f:id:tmja:20200515174942j:plain

f:id:tmja:20200515174957j:plain

スクンビットや日本街への食事に行く時にデイビスホテルの前を会社のクルマで度々通るので、もうそろそろ1度宿泊してみても良いかなという気になり、今回はついに予約をしてみたのでした。翌日の早朝便にて帰国する晩の会社帰りにホテルまでクルマで送って貰いました。ホテル前のレストラン・ザギンや、デイビスの2つある宿泊棟のうち、北側のデイビス・コーナー1階のスターバックス・キャンプデイビス店は何度も来た事があるので概ねの勝手は分かっていました。

f:id:tmja:20200515175023j:plain

f:id:tmja:20191011143630j:plain

このホテルもチューウィット氏のデイビスグループですので当初はソープランドの建設予定を目論むも、周囲からの猛反対を受けて急遽ホテルに変えた経緯のあるホテルです。開業当初は巨大雛壇が「ロビーにあって...」との噂も聞こえていましたが、花モチーフの彫刻や、入口を護るとされる聖獣マカラが飾られてた落ち着いた雰囲気のロビーでした。スタッフの服装も格好良く、チェックインから部屋への案内までも実にスマートなものでした。

f:id:tmja:20200515175046j:plain

f:id:tmja:20191011143844j:plain

デイビスの滞在ではデザインが各部屋で違うのが売りの「デザインルーム」を予約していました。部屋番号402の「インディアンスタイル」と名付けられた部屋に到着。鍵を開けると小さなコーナーキッチンキッチンと居間の空間が現れ、壁には4枚のインド的な絵/写真。世界の創造を表す踊るシヴァ神のナタラジャ、ラーマーヤナの夜叉王ラヴァーナ、天界から流れ落ちるガンジス川を頭で受けるシヴァ神の像、そして見ると「ジャイ、ジャガンナート」と叫ばずにいられない宇宙の王の名を持つジャガンナート神さま!! この空間は背筋正していないと、何が身に降り掛かってくるか心配になります...

f:id:tmja:20191011143924j:plain

f:id:tmja:20191011143918j:plain

カーテンで仕切られている寝室を居間からみた感じです。キッチン、居間、寝室と共通して大型のイスラム玉葱モチーフが沢山。誰だ唱えたのかこれはインド大陸起源の如意宝珠の形でサンスクリット語では「チンタマニ」。

f:id:tmja:20191011143927j:plain

寝室も変型玉葱とベッドの両サイドには金属製の象の置物。バンコクにはインド人の中でもシク教徒が多くおり、パフラトにはシク教徒の大きな礼拝所グルドワラがあったりします。タイ人の持つインドのイメージは彼等だったりするのかなと部屋を見て少し考えました。アムリトサルの雰囲気は皆無ですが。タイ人は御利益を頂けるインドの神様大好き民族だったりするのですが、実はインド人はあまり好きでなかったりしたりします。その差の由来は...以下省略?

f:id:tmja:20191011143906j:plain

f:id:tmja:20191011143854j:plain

居間側眺めてみると鮮やかなオレンジ色のソファーの上に仏足石モチーフの飾り物。サラブリー県のワット・プラプッダバート寺などの有名な仏足石がタイには多数あり、信仰対象であるとの認識はあると思うのですが金刺繍の其れはデーンとありました。図柄を見るとワット・ポーの涅槃仏といよりはパゴーのシュエターリャウン仏の足の裏に近い感じがしました。「足下安平立相、足下二輪相」と仏の三十二相である足の裏が平で、法輪があるの実物表現。このソファーでは絶対に寛げないこと間違えなしですヾ(・ω・`;)ノ

f:id:tmja:20191011143636j:plain

f:id:tmja:20191011143632j:plain

建物9階にあるプールの様子と、デイビスホテルのタイ式ヴィラが10数棟建ち並んでいるのが見えました。チェックイン時から違和感を感じ続けていたのですがこの景色見て納得。広告等でデイビスホテルを見た時には、緑生い茂る中にヴィラが立ち並ぶ大都会バンコクのシティリゾートの様な印象が頭に残っていたので、シティホテルの趣きなメインタワーに何処か噛み合わないものを感じていたのでした。そのタイ式ヴィラの向こうには自動車整備場や、小さな民家が密集している通りも見えます。気力と機会があれば、マハカーン要塞にあった解体前の住居や、ナラーティワートの木造ムスリム建築訪問の事も書こうと思います。

f:id:tmja:20191011143639j:plain

せっかくなので上層階から降りて、ヴィラの並ぶ敷地に見学向かいます。ロビーの螺旋階段途にインドの叙情詩ラーマーヤナの1場面を描いた大きな飾り画がありました。白猿のハヌマーンがラーマ軍をその大口にいれて敵軍の攻撃より守り抜くシーンで、バンコク王宮内にある壁画を模したものです。ホテルスタッフに「家族で今度来る時にヴィラ側に滞在したいから見学しても宜しいでしょうか?」と聞いてみると、スタッフが一緒に案内をして頂け事になりました。

f:id:tmja:20191011143641j:plain

f:id:tmja:20200515175111j:plain

両脇に竜神ナーガを配した階段を上るとヴィラ滞在の入口。大乗仏教であれば広目天に付き従い、須弥山のとう利天にいる神々を阿修羅より守っているという故事によると直ぐに分かるのですが、上座部仏教の方はチト分かりません。やはり、仏陀に帰依したと云われる竜王ムチャリンダがモデルなのですかね。竜王ムチャリンダは日本では禅寺の天井画となっていることが多く、国や地域で受け入れ方が異なり、同じ主題でも日本とタイでは異なる表現となっているのが面白いところです。

f:id:tmja:20191011143644j:plain

f:id:tmja:20191011143648j:plain

ヴィラの中央に配置された小さめなプールとジャグジー。まさに都会中のリゾートとい言った感じで、家族で泊まるのであれば人の出入りの多いメインビルよりもコチラの方が良さそうです。鍵を開けて見せて頂いたヴィラは2階建てで、よくあるタイ風のキッチン付きリゾートヴィラと言った感じした。確か250平米の広さ。ラオスやカンボジアも同様ですが、タイでも家や建物を護ってくれる神が宿る場所としての祠が敷地内に作られるのが常です。デイビスホテルの敷地の奥にも幾つか祠があり、黄色い生花が綺麗に供えられていました。