東京浅草のたい焼き屋・求楽さんで「たい焼き体験」

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コロナ禍が猛威を振るう少し前のこと。用事があって妻と娘が出掛けたので、息子と二人で南千住にある息子イチオシの蕎麦屋「砂場 総本家」で昼食を頂き、足を伸ばして浅草にやって来たのでした。浅草で今回訪れたのは「浅草たい焼き 求楽」さん。たい焼きのテーマパーク?を目指して何年か前にビルの谷間のような場所に開業したお店です。

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上野駅から浅草寺までの地域は明暦の大火の後に寺社が集められた場所で、現在でも無数の寺(上の地図卍マーク)が建ち並んでいます。訪れたお店は観光客がごった返す浅草寺からも歩いていける本山東本願寺、その北側に建つビルに入口がありました。国際通りを一本西に入り、現存する最も古いお好み焼き屋さん「風流お好み焼き 染太郎」の前を通ると直ぐに見つける事ができました。

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お店で予約をお願いした旨を伝えると、奥にある部屋へと案内を受けました。浅草は江戸幕府の米蔵が設置されたことにより発展し、黙っていても客が来る有数の歓楽街だった背景があってか、生粋の浅草の人間は無愛想で商売家がないと言われ続けています。それを考えると、少し違和感を感じてしまう愛想の良いお店の方...。内装は見ての通りの"観光客向け"を絵に描いたようなコテコテで、美人画や役者絵が襖に貼られている部屋でした。浅草という大観光地ゆえの土地柄か、昨今の外国人観光客を強く意識した内装です。

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最初にたい焼きに挟み込む”具材”の味を幾つか選び、お店の方が材料等を準備している間に「たい焼き物語」をテレビで眺めていました。たい焼きの発祥は、一説には麻布十番(東京)にある浪花家総本店が明治四十二年(1909)に丸い今川焼きを縁起の良い鯛型にしたことだと云われています。このお店は大ヒット曲「およげたいやきくん」の歌詞に出てくる店のオジサンのモデル(浪花家三代目亭主)としても有名で、いつも行列ができているお店です。座敷で流れる動画にも浪花家総本店の初代・神戸清次郎氏名前が出ていました。

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早引き三味線の音が流れるなかで、ちいさな卓上で調理を開始しました。水を張った大きめのボールにの上で薄力粉をふるいにかけながら投入。それをグルグルと掻き混ぜて合わせて生地を作ります。水と粉の比率は水の方が多く、若干緩めな感じです。この溶いた生地を鉄板の型に流し込む道具「ちゃっきり」に流し込みました。ちゃっきりはレバーが横についており、そのレバーを操作することで必要量の生地が吐出できる専門の道具です。

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そして、ステンレス製の「あんさし」に餡子を餡ヘラでのっけて詰めていきました。タイ焼きは簡単に作れる食べ物で型さえあれば自宅でもできるのですが、やはり業務用の道具があると更に美味しいものが出来る気がしてくるものです。以前に南部鉄のたい焼き機(一丁焼き)を購入しようとして、妻にその"暴走"を止められたことがあった気もします...

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焦げ付き防止の天板油を塗っていきます。油壺から取り出したハタキで油をチャチャっと引いていきました。たい焼き機を作っている会社は国内に幾つかあるようで、よく見ると鯛の姿や顔付きが違っていたりして面白いものです。ご当地キャラの姿をした"たい焼き"も各地のイベントで見られるので、鋳物屋頼めば好みの顔付きをしたたい焼き機もオーダーメイドができたりもするのでしょう。

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餡を入れるので投入する生地は型の半分もあれば充分。ちゃっきりで型に生地を流し込み、スプーンを使って頭と尾側に広げました。本職のたい焼き屋さんがよく、鉄板を斜めにして尾っぽ側に生地を流し込んでいるところですが、体験レベルなのでスプーンを使用。その生地の上に餡となるカスタードやチョコレートを載せていきました。餡子やカスタード等はヘラであんさしから、カレーやチョコレートはスプーンを使ってと使用し易い道具を使い分けをします。片側の列全てに餡を載せ終えたら反対側の鉄板にも生地を入れ、重い鉄板をヨイショッと持ち上げて合わせます。その時の動画 ↓↓

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タイマーを2分でセットし、焼き上がるのを待てばアツアツたい焼きの完成です!! まだ熱い鉄板に板に当てても落ちてこない鯛は、ヘラを使って6匹全部を型から外し出しました。生地か多すぎて型からハミ出てしまった部分が羽根となっており、前後の鯛が繋がっている部分は鋏でチョキチョキ。

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鯛は刺身にして良し、煮付けても良し、焼いても良しと魚の王様と呼ばれている高級魚です。もちろん餡子などを詰めて"たい焼き"にしても美味極まる食べ物。体験調理は複数のたい焼きを金型で拵える通称"養殖"焼きでした。直火が当たらないので焦げもしない事もあり、羽根を売りにしているのも街中で見かける事もあります。対義語となる一丁焼きは"天然物"と呼ばれ、羽根にあたる部分は養殖魚より薄くパリパリの薄焼き煎餅の様です。焼きたては養殖・天然に関わらず最も美味しいので、お土産と分けた2尾づつを息子とアチアチで先に頂いたのでした。

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調子にのって、生地を増やして実験的に羽根を大きくしてみました。此方は妻娘へのお土産に。今回は粒あん、カスタードクリーム、辛口キーマカレー、チーズにチョコレートの5種類で体験制作してみました。自分達が作った一般的な味の他にも、白玉にイチゴやソーダ、ぶどう味の餡などでカロリーの塊を目指す事もできれば、納豆やキムチなどの甘くない"惣菜"鯛焼きにも挑戦する事ができるのだとか。更には材料持ち込み可と言うことですので野心的な具材を持参して、お店の名前である求楽(ぐらく)のとおり、自らの幸運Good Luckを試すのも楽しそうです。