奄美一とも名高い水間黒糖さんで、できたての手造り黒糖を求めて

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世界で最も北に広がるサンゴ礁、マングローブ林に干潟等の多様な自然環境が広がり、生命賑わう鹿児島南部の8つの亜熱帯の島々が国内では34番目の国立公園「奄美群島国立公園」として2017年3月7日に指定を受けました。この地域は15年以前より知床、小笠原と並び世界自然遺産登録を目指すも、候補地の選定や国立公園指定が決まらず、長く足踏みを続けていましたが、昨年の国立公園選定により弾みが着き、東京オリンピックが開催される2020年の登録を目指しています。今回は奄美大島の製糖工場に立ち寄った時の話しの短稿です。

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奄美大島を走る国道58号を帰りの帰り空港方面に走っていると、龍郷町の道路脇にある黒糖工場が開いているのが目に飛び込んで来ました。「開いている ! 」と車を止めて喜び勇んでUターン。これまで黒糖の製造シーズン(11月-5月)に奄美大島に来たことがなかったので、この小さな工場前にサトウキビが山積みになっているのを見るのは初めてでした。砂糖キビは気温が下がるに連れて茎中の糖分が増すことにより主に冬季に収穫されており、訪問したのは10月と若干シーズン前だったので時期には早いと考えていたのでした。

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奄美大島にはサトウキビの栽培と製糖技術が伝わったのは沖縄より早く、大和村戸円の直川智翁が慶長十年(1605)に台風で福建省に漂流してしまった時にサトウキビ苗3本隠し持ち帰ったのが起源だと伝わっております。奄美大島の北側にある故郷・大和村には記念碑立ち、当地にある開饒神社には直川智翁が黒糖の守神として現在でも祀られています。国内には現在60箇所程の黒糖工場がありますが、奄美大島と隣りの喜界島に20箇所づつ、徳之島10箇所と数の上では奄美群島が多くを占めています。

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工場に近寄ってみると、黒砂糖を炊く煙こそ出ていませんが甘い香りが漂ってきました。製糖が開始される時期には早いとばかり思い込んでいましたが、建物脇に絞ったサトウキビが積まれており、この日の朝には黒糖を炊いたようだと分かり思わずガッツポーズ。沖縄の離島にある黒糖工場で黒糖の美味しさを知っていたので、奄美糖が工場軒先で味わえると喜びながら店の扉をガラガラと開けました。

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目の前に園芸用の剪定ハサミでカットされた黒糖の山がどーんと山積みに。「いつもは11月ぐらいからだと思うのですが、何時から開始したのですか?」、「鍋ふち黒糖ありませんか?」と作業されていた年配の女性を質問攻めをしてしまいました。戦後まもなく輸出入制限があった日本では甘味資源が乏しく、奄美諸島の本土復帰と共に本土資本がその「資源」を求めて流れ込んだ勢いです。

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風味の強い黒砂糖は調理のしやすい白砂糖へ、本土資本によっても当初製造されていた黒糖は更に精製されたザラメと姿を変えていき、旧来の黒砂糖は隅へと追いやられてしまったのでした。然しながら、物流の貧弱な僻地や離島では、サトウキビを消費する為に黒砂糖を製造し続ける必要があり、菓子としても摘めるサイズに切り、ビニールに小分けする等の工夫がなされ現在のかたちの黒砂糖は残ってきたのでした。自分の家族へのお土産にと購入したのが500gのコチラ。購入した黒糖はできたてホヤホヤで、水分が残っているので丸1日経つまでは封をしないでとの案内がありました。

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試食してもOKと言うので頂くと、まだ温かみが残り控えめの甘みと苦味がとても美味。黒糖だけでも10欠片ぐらいはパクパクいけそうでした。話しを聞くと、黒糖の本当に美味しい時期はやはりサトウキビの糖度が一番上がる1月以降だそうです。朝5時頃から製糖作業をしているそうなので、煙モクモクでの煮詰め作業を是非とも見学させて貰い、熱々の状態の黒糖を口にしてみたいと思いました。