奄美大島フルフラガーデンで日本一大きい蝶・オオゴマダラ見学

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北海道・宗谷岬から沖ノ鳥島まで日本の国土は凡そ南北3.000キロ。訪れた奄美大島を含む南西諸島は温暖多雨な亜熱帯気候に属し、本土とは違う植生/生物が見られます。奄美大島の隣りに位置する喜界島が生息北限と言われる、日本一の大きさを誇る蝶・オオゴマダラ(大胡麻斑)。奄美大島にはそのオオゴマダラを育成している場所があると知り、奄美フルフラガーデンに立ち寄ったのが今回の話しです。

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奄美フルフラガーデンは奄美空港から名瀬の間にある龍郷町、奄美大島の人間なら誰もが知っている国道58号沿いにあるショッピングセンター・ビックツーの敷地内にありました。450台停められる巨大な駐車場と黄色い看板のビックツーはこれ迄にも何度も訪れた事がありましたが、その片隅に植物園(フルフラガーデン)があったとは現在まで全く気が付きませんでした。

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奄美大島から離れる日に、お土産選びにと駐車場にクルマを入れ遠目に目にしたのがこのフルフラガーデンと書かれた大きな看板。此処にオオゴマダラの絵がなければ、気にせずに素通りしていたところでした。フルフラガーデンはフル・フラワー(お花がいっぱい)の略で造った造語のようです。

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羽を開くと10cm以上にもなる日本一大きな蝶・オオゴマダラの絵と矢印だけの案内標識。園内のあちこちに設置された看板に従い歩きました。途中の小路では奄美大島の至る所でで目にするハイビスカスも目入り、南の島らしい風情です。ハイビスカスはよくよく見てみると花弁の数や、赤、白、黄色などの色々な種類があるのだと分かります。咲いた次の日には萎んでしまうので一日花なので、落ちている花を幾つか車内の飾りにと帰りに拾いました。

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しばらく散策続けると目的地のバタフライハウスが見えてきました。訪問日の気温は日中で27度。東京と比較しても10度程高く、強い日差しに暑さすら感じる日でした。ハブが最も活発に活動する時期でもあるので、緑に囲まれた場所にいると茂みから現れるのではと心配になっていまいます。

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蝶ハウスの文字とオオゴマダラの絵が大きく描かれた看板。入口はネットでできた二重扉のようになっており、蝶を外に逃がさない仕組みになっていました。入園料が大人200円と書かれているものの、集金をする人は周囲に誰もおらず、集金箱もまた見当たらずで少し困りました。

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どうしたものかと迷っていると、ネットの向こう側に大型の蝶・オオゴマダラが緩やかに数匹飛んでいるのが目に入ってきました。我が家で秋に羽化してしまったアゲハ蝶のアチョー君のために訪れた東京都足立区にある生物園。オオゴマダラはそこでフワフワと優雅に舞う姿を見たのが最後なので、実にひさしぶりにその浮かぶ様に飛ぶ姿を目にしました。

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網の中にある温室に従業員と見受けられる女性が2人が見えました。中に入っていき入場料を支払いたい旨を伝えると、「いまはシーズンではないので、入場料は要らない」との返事。この施設は春から夏にかけてはオンシーズンで、その頃には園内に100匹以上のオオゴマダラが羽ばたき壮観な景色が見られるのだとか。現在はシーズン外なので、その10分の1も成虫がおらずで寂しい雰囲気。せっかく来られたのだからと、葉っぱの裏に産み付けられた1mm程の小さな卵(上の写真)を見せて貰ったり、案内をして頂くことになりました。

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写真中央の毒々しい色合いの虫はオオゴマダラの幼虫です。5センチ程の芋虫で、成虫になった時と同じく白黒の縞模様と複数の赤い斑点が側面に見えます。オオゴマダラの幼虫は海辺でよく目にするホオライカガミを好んで食べ、その毒性を体内取り込むことにより外敵から身を守っているのだと説明ありました。この毒素は蛹、成虫になっても体内に残るのだそうです。幼虫はタバコ臭いがするらしいのですが、あまり近ずきたくなく未確認。この触ると危険と言わんばかしの幼虫が、南の島の貴婦人と呼ばれるオオゴマダラにどうやって変身するのが不思議でなりません。フルフラガーデンのオオゴマダラは、沖縄から蛹を貰って始めたそうです。

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そして、コチラが有名な黄金色に輝くオオゴマダラの蛹です。紡錘形の蛹のなかには黄色い体液が入っており、たくさんの膜の層に光が反射されて輝いているかのように見えるのだとか。洗濯バサミに挟まれているのは落ちてしまった蛹を拾い上げたからです。人間はピカピカ光る金にフラフラ吸い寄せられる習性があるものの、鳥類は鏡を嫌うのと同じ理由でピカピカした物は不審がって近寄ってこないので、オオゴマダラの蛹はこのようなメタリックな金色になったという説があるとも教えて頂きました。この姿で2-3週間を過ごすと羽化に至ります。アゲハ蝶の羽化は自宅で毎年見ていますが、この金色の蛹から大きな羽を持つオオゴマダラ羽化する瞬間を是非とも自分の目で見てみたいものです。

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発砲スチロールの箱には標本用にと保管されている無数のオオゴマダラ。大小黒斑のある蝶は飛んでいないと結構地味です。無数の蝶が悠然と舞う桃源郷のような風景を期待していたので、今回は少し残念な訪問となってしまいました。後から知ったのですがフルフラガーデンは10月~3月間は休園(⊙_⊙)。と言うことは、自分は休園中のところ押しかけてしまったようです。フルフラガーデンの親切に対応して頂いた方には感謝の言葉しかありません。ありがっさまりょうた。

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オオゴマダラは奄美大島の自然にはおらず、隣接する喜界島が棲息する北限だとか。奄美大島と喜界島に横たわる海20キロ程しかないので、どうして奄美大島にいないのかが不思議に思い尋ねると、オオゴマダラの幼虫期に食するホウライカガミとホウライイケマが自生していないからだそうです。沖縄本島では家庭や観光施設でホウライカガミを育て、大きな蝶を呼ぼうとしているのを良く見かけますが、それを自制するのが奄美の良いところ。

そんな事を考えながら、ビックIIの店内で買い物をしていると、アルコール売り場には喜界島の黒糖焼酎・「南の島の貴婦人」が販売されているのを発見しました。黒糖焼酎は奄美諸島のみ製造が許されており、フルフラガーデンのある龍郷町にも3つの醸造所があります。華やかな黒糖の香りに誘われて舞うオオゴマダラをイメージしたお酒らしく、みやげ話しにと試しに1本購入してしまいました。