都心に残るクラシックホテル、旧帝大生の社交場・学士会館に宿泊してみました

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神田錦町、周辺の大型ビルと様子を異にする建物が白山通りにあります。此処が学士会館と呼ばれる旧帝大(東京、京都、北海道、東北、名古屋、大阪、九州、タイペイ、ソウル)の出身者を会員とする学士会が運営している学士会館で、宿泊、レストラン、会議室、結婚式場を備えています。

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現在の建物は関東大震災よりの後の1928年のもので、戦前の雰囲気が楽しめる都内の数少ない宿泊施設のひとつです。学士会館のレストランや宴会場は数多く訪れた事があり、自分の結婚式の披露宴を此処でしようかと、妻と一緒に下見に訪れたこともありました。

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子供達が夏休みで妻と泊まりがけで旅行に出かけたので、1度ぐらいは泊まってみるかと思いホームページから予約ボタン押してしまいました。勿論、妻には内緒です。

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旧正面玄関を入ります。

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あらためて見回しても随所に細かく手が入っています。今世紀に入り、国指定登録有形文化財にもなったらしく、自分の前に玄関に入った女性は一眼レフカメラでたくさん撮影をされていました。

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玄関のドア拡大写真。このホテルで何でも好きに持って帰って良いと言われたら、このドアの「押」とドア反対の「引」のプレートが欲しいと思っています。

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宿泊受付は北玄関寄りにあるので、赤い敷物の上を進んで行きます。わざわざ、南玄関から入ったのは往時の玄関が南側だったので、その雰囲気に浸りたかったからでした。

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通路左にあるお手洗ですが、ナカナカ豪華な様子。

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通路の途中に広い談話室が白山通り沿いにあります。新しく建てるホテルには出せない独特の雰囲気が漂い、年輩男性が新聞読んだり、議論を交わしたり、外回りの仕事の休憩中なのか眠っている背広姿の方といろいろな人が利用していました。

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フロント辿り着きました。奥に見える胸像は山田三良と書かれていました。すみません、全く知りません。

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チェックインの手続きを終えて、エレベーターを使わずにえっちらおっちらと螺旋階段を昇って行きます。

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宿泊部屋のある4階に到着。まだ上に階段は続いているようですが探索は後にして、先に荷物を置くために部屋に向かうことにしました。

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目の前の大きな本棚右手は学士会の碁会所らしく、賑やかな声が聴こえています。左手が宿泊者専用スペースとなっていて、自動ドア向こうは関係者以外立ち入り禁止と書かれていました。本棚には、どんな難解な本が置かれているのかと覗くも半分以上が囲碁・将棋関連...。

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敷物が赤から青に変わりました。通路を挟んで宿泊者が同時にドアを開けてもぶつからないように部屋が配置されています。木製の扉に真鍮のドアノブ。

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今回の部屋はこちら。シングルルームです。学士会館のホームページを見ると、会館建築以来のオリジナルデザインを色濃く残すとの文言に惹かれました。部屋の天井が3m、窓の高さが1.8mもあります。

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入口方面。右手クローゼット奥に洗面台、左手には後付けしたと思われるユニットバスが見えます。以前どこかで、この部屋は何処か海外有名大学の学生寮の部屋を模したと読んだ記憶があるのですが…、思い出せません。

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部屋に入って右手奥に学習机が置かれています。テレビはコンパル委託製造の19インチ東芝レグザ。

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ホテルですと聖書等がよく入っているところですが、さすが学士会館! 學士會会報とNU7(国立七大学総合情報誌)が入っていました。

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高い天井から吊り下げられた5灯のライトも雰囲気があります。

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窓の外を見ると、白山通りの反対側だとわかりました。

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地上から見上げると、出っ張りのあ部分に窓が2つ並んでいるところが宿泊している客室とわかります。窓が縦長なのはレンガ造りの建築物の特徴のひとつですが、学士会館は鉄筋コンクリートですのでデザインなのでしょう。

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部屋を出て少し館内散策をしてみます。4階の宿泊エリア奥にあるロビー。  今回初めて見る学士会館内の空間で、ゆったりとした時間が流れているように感じられ、とても気に入りました。宿泊客が少ないのか殆どすれ違わないので、このスペースを長時間にわたり独り占めしていました。傍にある館内自動販売機で買った缶ビールを飲みながら、文庫本を1冊丸々ここで読んでしまいました。

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5階に屋上があるのも今回初めて知った事でした。ホテルの資料には、太平洋戦争中はここに高射砲が設置されていたとありました。

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通りを挟んで建つ白い建物が小学館ビルです。震災による耐震強度見直しでオバケQビルを取り壊して立て直しました。取り壊し前に著名漫画家の悪戯書きがニュース流れ、見学し行った記憶があります。遠くには神保町交差点見えます。

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学士会館の「読書室」も5階にありました。

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ここから螺旋階段をぐるぐると降りていきます。

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301号室。人生の半分向こうで訪れた披露宴会場候補は此処だった気がします(最終的に披露宴はホテルオークラでした)。大きなマントルピースに、2方面に大きな窓がある会場です。

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さらに1階下の201号室は「半沢直樹」の最終回で土下座したシーンの撮影がされた場所として最近は有名らしいです。戦後はGHQ接収されて将校倶楽部となっていた歴史もある場所ですが、現在は夏場のビアガーデンとして気軽に入れるらしく、宿泊した日もお客さんが沢山で賑わっていました。

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地上階まで降りて来ました。エレベーターのところに、「全自動運転御注意」と書かれたエレベーターの乗り方指南がありました。普段気にせずにエレベーターを利用していますが、初めて見る人にはこの様な説明がなされていたのですね。

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朝食会場のセブンズハウスです。係の人が立ってい場所が、この建物が弧を描いている場所です(一番上の写真参照)。隣のフレンチ・ラタンとは違った印象を受けましたが、こちも高い天井に大きな開放的な窓があり、昔の面影を感じられる場所でした。

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チェックイン時に和食か洋食を選ぶのですが、昔の学士様は洋食を選んだかなと勝手に思い、洋食コースにしてみました。席はご自由にとの言葉に甘えて、弧を描いているコーナー席で外を眺めながらの朝食を頂きました。

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東京都心にも山の上ホテル、東京ステーションホテル、九段会館とクラシックホテルと呼ばれるホテルが幾つかあり泊まりましたが、ここ学士会館が一番良い印象を受けました。

タイムスリップしたかのようなレトロな空間で、こちらから求めなければホテルスタッフが接触してくる事もなく、気ままに時間過ごせるのが気に入りました。館内に飽きたとしても、歩いてすぐに神田の古本屋街や皇居もあり、散策先にも事欠かないと言う事なしだと思います。