世界で唯一、ばんえい競馬観戦とバックヤードツアー

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帯広訪問時に、帯広観光の目玉とも云われる「ばんえい競馬」のレース観戦とバックヤードツアーに独り寂しく参加した話しです。帯広には何度も来ていますが、1度もコチラに来たことはなし。ばんえい競馬見ずして、帯広を語るなかれと言うことで帯広空港から直行して来ました。

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建物入ってスグところに、本物の金属製ソリが飾られていました。ばんえい競馬のばんえいは「輓曳」と漢字では書き、馬に直接乗るのでなく、ソリやクルマを曳かせる事の意味だと初めて知りました。楕円形のレース場を疾走するサラブレッドには騎手が馬に跨っていますが、ばんえい競馬は馬が引く重いソリの先頭に人が乗って速さを競う競技です。北海道開拓時に、荷役に使用した馬を競わせたのルーツだとか。

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まだレースが始まる前に到着したので、人は疎らにしかおらず。施設が古いままのところがレトロな感じがして好感を持ちました。100円が入場料として必要との事前情報に反して、チケット購入せずに此処スタンド内まで入ってきてしまいました。その理由は後程…。奥の方にラウンジがあるとの言われたものの、よく分からないので、勝手に館内を散策する事にしました。

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ばんえい競馬の裏方を見せて貰えるバックヤードツアーの案内看板を発見して即申し込み。大人1名500円で定員20名の先着順。自分が参加した日には10名以上が平日にも関わらず一緒となりました(独りは自分だけでした…)。

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こちらは参加申し込みの引き換えに頂いた連絡事項の書かれた用紙です。ツアー開始は第1レース開始直後とあるので、折角なので第1レースをまず見学する事にします。

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この競馬場に足を運ぶのは初めてなので、全体像を掴もうと2階に上がってみました。世界で唯一のばんえい競馬のコースはスタートからゴールまで直線200m、幅1.8mのセパレートコース。これを2分程で走る世界で最もゆっくりな競馬レース場。

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出典:ばんえい十勝

案内によると②と④に大小ふたつのヤマ場があり、⑤に砂障害の文字が見えます。ばんえい競馬のコースが普通の競馬と違う点はこれらの障害物があることで、速さだけを追い求めるのでなく、力強さも求められるコースになっているようです。

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レース開始の20分程前より、パドックに入ってきた「ばん馬」達。間近に見られられるらしく、自分も人集りが出来ているパドックにと向かってみました。

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此処でうまの調子や、騎手との息の合い具合を見るらしいのですがサッパリ分からず…。ただ、ばん馬の顔の大きさ、肩幅の広さ、股の太さがテレビでもよく見るサラブレッドのそれとは明らかに違い、逞しさと貫禄があるのはよく分かりました。それと馬の表情が精悍という感じでなく、皆優しげなのが印象的。

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規定の時間が来たのか、その馬達が順を追うかの様にパドックからスターティングゲートの方へと向かって行きます。馬には装備が付いていないので裸馬に騎手が乗っていました。力強く地面を蹴る様を見ていると、普通の競馬は軽馬と書くんだったかと思ってしまう程の重量級感。

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最大8枠10頭のスターティングゲートより、スターター台に乗る発走委員の合図と共にファンファーレ&「パーン」との音で各馬一斉にのっそのっそと走り出します。相撲でいう砂かぶり席、エキサイティングゾーンで走る馬を追い掛けながらの観戦。200mを2分で遅いと馬鹿にするなかれ。やはり馬は速く、急がないとあっという間に追い抜かれてしまいます。

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高さ1メートル、長さ9.3mの第一障害。ここはスタートしてすぐにあるためか、スタートダッシュの勢いで各馬軽く乗り越えて行きました。第一障害から降りた馬は第二障害前で騎手が手網を引きながら、刻むかのように馬を休ませながら前進、前進。

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苦しいのが高さ1.6m、長さ16mの第二障害。坂道に砂が多く撒かれているせいで足を取られるのか、重い荷物が歩みを遅くさせるのか、此処のヤマ場を如何に突破するかが勝負を決めます。それにしても、1トンもの荷物を曳かせ、障害を拵えたコース速く走らせる為に鞭いれられる馬の姿は、動物愛護団体が目を三角にして出てきそうです。 

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夏場はゴールに向かって0.5mの砂障害あるらしいが、冬季期間なので撤去中。第二障害クリア後にはゴールまで60m程のストレートを各馬突き進みます。第1レースは第一障害/第二障害を共に1番で抜けた6番馬が1着となっていました。ここまで見届けて、予約したバックヤードツアー参加に遅れてはいけないと、急いでスタンドへ戻りました。
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馬券売り場の入る建物のすぐ裏手に装鞍所がり、ここからバックヤードツアー開始となりました。ばんえい競馬では乗馬はしないので鞍は付けないのでは? と言うツッコミはなしでお願いします。ここでは競走馬に馬具やゼッケンを取り付けたり、出馬前の各種検査がおこなわれる地区だそうです。

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1日で1番暖かい時間帯ですが氷点下と外は寒い…。足元に目を移すと、馬の蹄鉄の跡が見えました。馬は人間の足先と異なり、歩幅伸ばすために中指が進化(他の指退化)し、実質的指1本で立っているとか初めて聞くお話しばかりで興味津々のツアー開始。

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装鞍所よりバスに乗り込み、馬と人が一緒に寝食を共にする厩舎地区へと移動。バスでまわるのは敷地が広いのと、馬をなるべく刺激しない為だそうです。眼下に無数のそりが置かれた地区を通過。2歳馬用の軽い350kgから最大1,000kgもの重量があるソリが使用されているそいです。しかも、調教は午前3時からと、凍てつく寒さのなかでも日々行われているのだとか…。

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お名前を失念してしまいましたが有名な方の厩舎らしい? です。1階中央部には馬が、その周辺と2階には騎手調教師が生活をする場となっており、馬房で犬を飼うところも多いのだとか。此処で生活をしていて、小学校に通う子供達もいると聞きオドロキ。

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この寒い中で馬を綺麗にしていたり、自分がまったく知らない生活がされている厩舎地区をクルマが凸凹道に揺られながら進みます。沢山の大きな競走馬を見ることができました。

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こちらは馬の蹄に蹄鉄を付ける装蹄所。馬の蹄がどんなカタチで、どの様に蹄鉄をはめるのか理解できていないので、より近くで見てみたいものです。

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国内各地の競馬場同様に馬頭観音が祀られています。ドーピング検査場や厩舎地区の売店等を過ぎてツアー開始地点でバスから降車。途中で見た売店にはどの様な物が売られているのかが知りたかったのですが、バス後部にいたために質問できませんでした。

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その後はスタンド3階にある旧実況席からレース観戦をする計らいとなっていました。写真中央に第二障害。1レース同様にコース中央部の馬が先頭を走っていたので、「もしや、この日は中央部が走り易い状態なのでは?」と馬券を買う算段を脳内でしていました。

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ゴール後に馬から外された重いソリは、トロッコ(写真中央の木の影)で運ばれてスタート地区へ運ばれて行くのでした。ちなみに、このトロッコはかの夕張炭鉱で活躍していたものを引き受けたもので、現役続行中との嬉しい説明がありました。

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ガラス越しに写る隣の部屋は現役の実況席。自分達が隣りにいた間にも「後方から迫ってきXXX、さ〜どっちだ、どっちが先にゴールへ」と熱の籠った実況が聴こえていました。
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裏方巡りツアーを終えて、スタンドへ戻って来ました。ふれあい動物園にファミリールームと中年男性1人では寄りつけない場所もあるようです。十勝地区の一大観光地ともあり、あまり殺伐とした感じはなく、誰でも気軽に入れる雰囲気です。

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レースコース横のエキサイティングゾーンにて、第一障害と第二障害の間で繰り広げられる駆け引き。よく見ると騎手達のズボンには「楽天競馬」の宣伝が入っています。2006年には岩見沢、旭川、北見でのばんえい競馬開催も終了し、赤字続きの帯広も時間の問題と言われた時期もありましたが、地元財界、ソフトバンクと多くのファンの支援により業績回復して現在まで存続してこれました。

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第二障害を登るシーンを上り面側から見てみました。だいぶ砂に足を取られていますが、ばん馬の力強い歩みの迫力が凄い! 自分達も困難にめげずに、力強く前へ進まなくてはと見ているだけで鼓舞される気持ちになりました。