四国第八十六札所・志度寺門前の遍路宿「以志や旅館」に泊る

f:id:tmja:20180321130020j:plain

高松で仕事を終え、この日の宿に向かうことにしました。琴電こと高松琴平電気鉄道に瓦町駅から乗り込み、さぬき市にある終点・志度駅まで16駅/30分ほど揺られ到着しました。ここは四国八十八ヶ所霊場の第八十六札所の志度寺の門前に開けた場所です。

f:id:tmja:20180321130027j:plain

阿波徳島から讃岐高松を結ぶ国道11号線の元となったのが旧志度街道で、天保9年の記録では志度村は家1,130軒、人数4,625人と賑わいのあった場所だと推測できます。上の写真は駅から志度寺への旧志度街道で、江戸時代の奇才・平賀源内が生まれ育った家も少し西側(高松側)にあったりします。

f:id:tmja:20180321130033j:plain

そんな志度にあるお遍路宿が今回宿泊する「旅館 以志や」さんです。本瓦葺、切妻造りの中2階建ての建屋がまるで江戸時代からそのまま出てきたかのような渋さです。

f:id:tmja:20180321125846j:plain

漆喰塗り込めの虫籠窓・格子窓に看板があり、宿と隣接する食事処と併せて「旬彩料理 旅館 以志や」とあります。看板に隅には現在では廃業してしまい飲めなくなった木村中田酒造の悦の司(ヨロコビノツカサ)の宣伝も見えていました。

f:id:tmja:20180321125826j:plain

玄関を開けて入ったところです。式台があります。写真には写っていませんが、右手には平成16年に文化庁より登録有形文化財に登録されたことを示す緑色のプレートがありました。暫くすると女将さんとご主人が出てこられ、部屋まで案内を頂きました。

f:id:tmja:20180321125818j:plain

「以志や」は3つの棟屋からなり、通りに面した建物が明治時代、真ん中が大正時代、一番奥が昭和に入ってからの建物で、明治時代の建物のみが文化財登録指定となっています。それらの建物を結ぶ廊下も雰囲気があり楽しくなってしまいました。

f:id:tmja:20180321125805j:plain

案内を受けたのは真ん中の大正時代の建物の2階の部屋。階段登って襖を開けると4畳の控えがあり、部屋はその奥にありました。

f:id:tmja:20180321130040j:plain

この日に宿泊しているのは全部で2人、嬉しいことに真ん中の建物は自分だけと一棟貸切状態です。部屋に足を踏み入れた時には暖房が既に入っており、宿の方の心遣いを感じました。ご主人に志度寺の開門時間や翌朝の出発時間等を聞いた記憶があります。

f:id:tmja:20180321125832j:plain

風呂場の窓の飾りです。この日は移動と業務で疲れていたので、あまり動き回らずに風呂だけ浴びて寝床に着きました。到着した日は低気圧が近ずいており、小雨が1日振り続けていた寒い日でした。

f:id:tmja:20180321125910j:plain

翌朝、明るくなってきたので朝食前に志度寺を覗いてみようと早起きしました。襖を開けると明治の建物が目に入ってきました。海の近くだからか南北に風が抜けていき、窓を開けていると春でも寒さを感じる程でした。

f:id:tmja:20180321125917j:plain

明治と大正、大正と昭和の建物の間にそれぞれ小さな坪庭があり、そこから2階の屋根に届きそう木が少し窮屈そうに枝を伸ばしています。

f:id:tmja:20180321125924j:plain

反対側の襖を開くと昭和の建物。あちらの部屋はどう違うのか興味津々です。旅籠のような宿に泊まる時には、予約時に「古い宿が好きだと」と告げるようにしています。今回はそのおかげでか昭和と明治の両方の棟屋が眺められる特等室に泊まることができました。

f:id:tmja:20180321130000j:plain

階段を降りて、ギィーと音を出す廊下を歩いて志度寺への参拝に少し出かけました。小雨がパラついていましたが、宿から志度寺はわずか200メートル程と本当に近かったで傘なしで行ってみました。

f:id:tmja:20180321125936j:plain

短い散策を終えて戻ると朝食の時間です。食事場所は明治館の入口奥の部屋で和朝食を頂きました。明治期に建った棟の坪庭側がこの宿で一番良い部屋に見受けられ興味を持ちましたが、中を見る機会は残念ながらありませんでした。

f:id:tmja:20180321125947j:plain

f:id:tmja:20180321130008j:plain

この日も朝から用事があり早々に出かけることになりました。以志や旅館は旧志度道からの外観だけでなく、建物の内側も古い雰囲気があり大変気に入りました。2つの中庭もキチンと手入れがなされており、つくばいに金魚と夏に来ても涼しげで良さそうです。折角ですので、奥の中庭(写真上)と手前の中庭(写真下)の写真をそれぞれ撮ってから出発しました。