石場旅館(弘前市)- 軍都・弘前に残る老舗旅館に、念願叶い宿泊することに

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青森県弘前市の弘前城から程近くにある「石場旅館」さんにお邪魔して来ました。石場旅館は弘前藩・藩士であった石場氏が小間物屋と旅籠を明治12年始めたのが由縁と現宿主との会話で伺いました。数えてみると100年を越す歴史あることになり、平成23年には有形文化財として登録されています。

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弘前藩より城下町の歴史は続き、日清戦争後に明治29年には第八師団が置かれ軍都・弘前として発展を続けました。軍用旅館としての指定を受け、この旅館を訪れた人物のなかには初代総理大臣・伊藤博文も名を連ねる老舗旅館です。是非とも泊まってみたいと思っていた場所で、今回の東北旅行でその思いが叶うこととなりました。

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玄関を上がり奥に進むと、精工舎製の時計が目に入りました。文字盤がかなり傷んでいましたが、キチンと時間を刻んでいるようです。

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自分は旅館のなかでは内側から玄関を見る眺めが好きなので一枚撮影。手前には面長な顔の享保雛が飾られています。この旅館は自分が考えていたよりも大きいらしく玄関にスリッパがカナリの数準備されていました。

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旧・要人用の入口であった場所から手入れされている前庭を眺めてみました。

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この要人用の入口は宿の看板の上がった入口でなく、その横設えられた木門より庭を経て入るようになっていると2階から見ると分かります。

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障子が閉まっている部屋は朝食会場になっている大きな部屋で、庭に面した廊下が黒光りしています。せっかくなので日中はガラス戸も障子も開いて、外の風を入れたら気持ち良いのではないか思いました。

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視線をもとに戻すと太鼓橋が掛かる場所があり、二階と奥の通路につながっています。このどちらに進んだら良いか迷路のようなとこころが武家屋敷のようで、飾られている屏風にも武者姿とここが城下町を表しているかのようです。屏風の後ろには宿泊した高名な方々の札が飾られており、一番右は北白川宮成久王、フランスで自身で運転中に事故死された北伯爵でした。

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螺旋階段を上り、2階の部屋へと向かいます。台湾の方が沢山撮影をされている場面に出会いました。WIFIも飛んでいたりと建物は古くともと新しい風が吹いていると言った感じのようです。

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部屋の様子。

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窓からの建物北側の眺めです。木立の向こう側は同じく明治期に初め建てられた翠明荘が少しだけ覗いていました。

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館内探検を再開し、傾斜の急な裏階段を降りて行きますと…、

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1階の建物奥の方に出たようでした。物置となっている小部屋のガラス戸には石場旅館の屋号が入っていました。

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浴室へ向かう廊下も趣が感じられます。このあたりは近年になり増築された部分のようです。

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浴室内はこのような感じでした。3-4名で入れそうな広さがありました。

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通りに面した2階の部分はこの様に欄干が残っていました。外からは見えないようにされています。と言うことは、現在の正面よりの外観は石場旅館の歴史の何処かで大きく変わったとのでしょう。

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知人に誘われて弘前城近くのスターバックスへ。ここは第八師団の師団長官舎だった建物だとか!上の写真はツイッター用にサイズ変更したのですが、投稿するのを完全に忘れていました。弘前は軍都と呼ばれれたものの空襲を受ける事なく終戦を迎え、多数の古い歴史的な建物を見ることができる街です。

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内装も時代を感じさせ、地元の学生と見受けられる若人が数人机に向かっていました。神戸のスターバックスが古い建物を利用しているのを見学しに行った事がありましたが、弘前にも同様のものがあるとは知らずでした。

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翌日には観光列車「リゾートしらかみ」に乗る予定があり、朝の一番早い時間帯での朝食をお願いしていました。

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前日にこの広間が朝食会場と案内を受けた時には、障子を開けて庭を眺めながらの朝食だとばかり思い込んでいましたがこの通り。ただ、障子越しに庭の緑が風で揺れる姿や、廊下を歩く人を影絵として見るのも悪くないと感じました。

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食後にお会計を済ませて出発です。直近に宿泊した元遊郭の旅館と比較すると、その成り立ちの違いから来るのか、あちらは開放的で華やかさを感じられるのに対して、こちら石場旅館は全体的に重い印象を受けました。共に100年を越す歴史のある建物にもその性格が反映されているのを見るかのようで興味深いと感じた滞在となりました。