福島の土と水、風と光で育つ「いわきワイナリー」の夢ワイン

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数年前より福島県いわき市で育てたワインがあるとは聞いましたが、関東で見かける機会はまったくありませんでした。今回の福島出張では是非とも「いわきワイナリー」を自分の眼で見てみたいと思い、仕事の合間にクルマを飛ばしました。 

 いわきワイナリーはいわき駅から西3km程の好間町にあり、平成27年3月にオープンしたばかりのまだ新しい醸造所です。より北にある広野町で開始した葡萄畑は震災の影響で立ち入りが禁じられて断念し、震災後1年半に葡萄の栽培を開始したのが此処、好間町だったそうです。

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カーナビに従って行ったところ、丘陵地帯を登る細道を抜けてナントカ目的地へ。この地区は常磐炭田で栄えた地域らしく、途中で炭鉱住宅かと思われる地帯が見えたので時間があれば散策したいところでした。

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梨畑が多く見られる道を進むと、いわきワイナリーが見えてきました。

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道路沿い設置された立派な「いわきワイナリー&未来ファーム」の看板。ワインの瓶から剥がしたラベルのようです。いつもの癖で事前の下調べせずに来てしまったのですが、いわきワイナリーも先日訪れた群馬県のココファーム同様に障碍者の方が多く働いている場所だと、建屋の大きな軒下で食事をしているスタッフの方々との挨拶で理解りました。 

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画像出典:福島県のホームページより

帰宅後に調べてみると、いわきワイナリーの経営母体「みどりの杜福祉会」は障碍者の就労支援をおこなっており、果実や野菜栽培、お弁当作り等をしています。農作業通じて自立した生活をという原点は愛知県のAJUや群馬県のココファームとも共通した想いがあるようです。

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いわき市はワイン用葡萄栽培はこれ迄されてこなかった土地なので、ワイナリーは夢のまた夢と言われていたそうです。いわきワイナリーの葡萄畑がこちら。休耕梨園を利用してメルロー、シャルドネやマスカット・ベリーAが栽培されており、直近に収穫醸造体験会があったらしく手前側は収穫の後でした。

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醸造免許取得前は収穫したブドウを山梨県勝沼にある東夢ワイナリーに委託醸造。東夢ワイナリーは2002年に東京電力OBが休眠耕作地を開墾したのが始まりで、東京電力と関係の深いワイナリーです。その東夢ワイナリーがいわきワイナリーへの委託醸造、技術支援をしているところには表に出てこない物語があるように思えます。

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今回訪問時にご案内を頂いた鈴木勝也氏が写っている写真をみどりの杜福祉会の「みどりの杜だより」に発見しました。清水市長への醸造免許取得報告時の写真だそうです。鈴木氏は後列にいる最も身長の高い男性で、醸造機の導入、葡萄栽培、醸造と全てに関わってきた方と伺いました。

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現在の0.5ヘクタールでは2-300本しか製造する事ができない為に拡張する土地も決まっているとか。果実酒(ワイン)の法定製造数量は6キロリットル(750mlで8,000本相当)をクリアーするために、他地域よりの供給や、地場の梨をつかった梨スパークリングワインを製造してクリアしているようです。

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以前の話しですが、震災後にコンビニエンスストア等で売られている弁当やおにぎりのご飯は、産地不明の混ぜ物だから子供に食べさせるなと妻に言い付けた事があります。放射能汚染米を気にしての発言でした。この好間町も震災後の一定期間は立入り規制を受けた地区ですが、福島県の野菜・果実からは2013年以降は放射線セシウム基準値オーバーはゼロとなっていると聞きます。

今回購入させて頂いた2016年のシャルドネです。ワイナリー裏の畑で採れた葡萄で造った総生産数150本の1本だと聞き購入しました。いわきの光と風を受け、土と水で育った葡萄でできていると知ると、その背景を考えさせられます。この1本は来年3月の親族集会にと取って置き、国道6号の帰還困難地区のビデオを流した後に出そうかと考えています。

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