博物館になってしまう大連賓館/ヤマトホテル大連(旧名)中山広場正面のスイートルームに泊まってみました(前編)

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大連出張時に旧・大連ヤマトホテル(大連賓館)に宿泊してきました。このホテルは戦前に南満州鉄道会社が経営したヤマトホテルの旗艦店で、大連中心部の中山広場の南正面に堂々たる威容で立っています。今回は長くなりそうなので、何回かに分けたレポートの前編になります。

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大連ヤマトホテルは1914年に現在の清水組により竣工がなされ、すでに100年の長い歴史を持っています。現在は3つ星の地位に甘んじていますが、ホテルの猛々しい外観からだけでも、自分のような一庶民が軽々と近づけない雰囲気が当時はあったのが容易に理解できるところです。 

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大連ヤマトホテルは満州国の玄関口にあたる大連の迎賓館の役割を当時は担っており、貴賓室は現在でも国内外の賓客の持て成しに利用されているらしく、大連市長と賓客の写真がありました。

最近、大連市が老朽化を主な原因として、宿泊施設としての営業を停止し、歴史的建物が立ち並ぶ中山広場のシンボルとして博物館とする計画を進行する決定をしたと聞きました。ならば、1度ぐらいは中山広場に面する良い部屋に泊まろうと思ったのが、今回の2泊3日の出張でに宿泊先を決めた理由でした。

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ホテルの建物の外周部分を歩くと、張り紙で「危険なのでクルマを停めないように」と書かれていました。自分が散歩していた時にも、数歩離れたところに上から小さな石?のようなものが降ってきて、コツンと歩道に音をたてていました。

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窓はホテル正面だけでなく、建物の側面も花崗岩をアーチ状に加工されています。張り紙を見てか昼間は路駐しているクルマは少なかったですが、夜間は所狭しととクルマが停められているのを見ました。

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建物の裏側です。広場正面から見ると分からないですが、背後から見ると少し傾斜のある土地に建てられているのが分かりました。

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こちらは今年前半に宿泊した時の写真ですが、ロの字を描く建物上部を、宿泊した部屋の窓から撮したものです。最上階の部分は使用されていないのか、窓は割っぱなしとなり、酷い状態になってしまっている様でした。

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そのロの字の地面部分です。この建物は鉄骨煉瓦造りの4階建てすが、戦後にも何度も大改修があったらしく、どこまでが往時の面影を残したものなのか判断ができず。

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正面玄関には鉄製の唐草模様のキャノピー。電子掲示板で「特別セール価格」等宣伝が流れているのが悲しいところですが、以前は此の建物の正面上部に全てを台無しにするかのような巨大な宣伝広告スクリーンがあったのを思えば、気にもならない程度になりスッキリしました。

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ロビーに入ります。アーチ型の柱で構成され、天井からはシャンデリアと優美な空間。予約を電話でしたので予約確認書等が一切なく、本当に部屋が取れているのかを実は心配していました。「ベッドが3つあるけど、1人で泊まるのか?」と念を押されたので、中山広場を正面に見られる部屋なら何でもOKと回答。部屋を準備していると言われ、まずは館内を散歩することにしました。

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上層階につながる螺旋階段を見上げています。

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2階に上がりました。少し薄暗く、幅の広い通路の突き当たりに100周年を記念して作られたホテルの展示室が見えています。

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最後の皇帝・愛新覚羅溥儀が宿泊した208号室。市のガイドさん連れられて内部を拝見しましたが、皇帝が宿泊するにしては非常に質素な部屋でした。映画ラストエンペラーの撮影も此処でされたとか、写真撮影は禁止・・。

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時間を持て余し、中山広場の面した喫茶室に入りました。大連に来る時は必ず1度は此処に来るようにしてる場所です。壁にはホテルの歴史的な写真が飾られ、なかには日本の首相も混じっていました。夏目漱石がいつも座っていたという席もあったりします。

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扉が開けられおり、外の雰囲気が感じられる場所が自分のお気に入りです。ここから見える中山広場の風景を、妻に写真を送ろうとしたらLINEは使用できず、Gメールも駄目と諦めたのでした。

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喫茶店のバルコニーに出てみました。足元はホテル入口のキャノピー。その向こうは戦前、大広場と呼ばれた直径213メートルの美しい円形広場が広がっていました。

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右手を見ると、道路を挟んで大連市役所(現・中国商工銀行大連支店)。この建物の前で結婚の記念撮影がされているのを何度か目撃しました。建物正面を見ると唐破風、塔の部分は京都祇園祭の山車と日本的なデザインが満載。その向こうは東洋拓殖大連支店(現・交通銀行大連支店)。

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反対側は手前が大連金融大夏(旧英国領事館跡)。建物にドーム型のものが乗っかっており、ぱっと見には昔からある様に見えるのですが20年間程前に新しく建設されたとか・・。 その向こうの緑色の屋根を持つ建物は大連民政署、現在で言うところの警察署。

日本人が街の数割を占めていたと言われる戦前の大連と、同じ壮観な中山広場の景観を一望できる特別な場所として此処の喫茶店は大いに気に入っています。大連に来た、という気分にさせてくれます。

〈続く〉