新生エアアジア・ジャパンと中部国際空港

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エアアジア・ ジャパンに国が事業許可を先週出していたのですね。それと併せて、中部国際空港を拠点に、新千歳、仙台、台北就航を発表していました。
エアアジア-ジャパン-2016年春からの国内外の就航先を決定 | AirAsia

第一世代エアアジア・ジャパンは横目で見るだけで一度も乗る機会がありませんでしたが、春秋航空と共にアジア発ブランドが、どこまで国内市場に食い込む事が出来るのか興味深く見ていました。エアアジアは撤退、春秋航空日本は3機のうち2機が遊んでしまっています。エアアジア再上陸のニュースに接して、中部国際空港は国内ハブ空港としてはどうなのかと疑問を持ち、連休中に少し調べてみました。

対象は、中部国際空港の国内線のみ。
10月9日の出発機情報をベースで算出(1日の離発着を出発x2で計算)
本当は国内・国際の離発着すべてを計算しよう挑戦するも途中で挫折しました。

離発着便数/日:160便
総供給席数/日: 22,412席

中部国際空港の国内線年間利用者542万人(確定済直近データ)から算出すると、542万/365=14,849人/日。本当に大雑把な概算ですが平均搭乗率66%程でしょうか。

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 セントレア発着のシェアはANAが圧倒的で49.6%。2位JAL(15.1%)と3位ジェットスタージャパン(12.8%)、日本トランスオーシャン(5.1%)とJALグループ3社を合計しても差がまだあります。愛知・小牧空港を利用しているフジドリームエアラインズ年間66万席分(26年利用実績)をJAL側に加えてANAとやっと並ぶことができるぐらいです。

就航している国内LCCは現在ジェットスターのみで、ピーチ、バニラ、春秋のLCC他社は1便もありません。調べるまで、ANAの比率がここまで高いとは思ってもいませんでした。名鉄ANA筆頭株主の時代もあったので、中部圏とANAの繋がりは考えている以上に強いようですので、エアアジアはそこに喧嘩を売りに行くことになりそうです。

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行先別でみると、札幌25%、那覇16%、福岡14%、鹿児島7%、仙台5%がトップ5になっています。LCCとして競合することになるジェットスターは、千歳、那覇、福岡、鹿児島、熊本に既に飛ばしています。

今回エアアジアが就航発表したのは札幌と仙台ですので、千歳便ではJAL/ANA/スカイマーク/ジェットスターとの競合路線となり、仙台便ではANA/IBEXとの競合路線に参入することになります。

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中部空港による2019年度目標の中期計画を見てみると、国内線需要増加分は160万人(年間利用者合計は700万人)。エアアジア参入前の現行供給座席数800万席ですので、大幅な需要増は国内線には見込めなそうです、ただし、中部空港LCC比率は現行12.8%(ジェットスターのみ)ですので、LCC利用者の上昇見込みは十分ありそうです。

成田、関空は既にライバル4社が拠点化にしている現状で、需要が見込める中部国際空港は起点としては国内線再挑戦の現状ベストな選択と言えるのでしょう。ただし、エアアジアの描いている毎年5機追加計画とは乖離があるように見えます。たとえ国際線3機、国内線2機の配分だとしても、中部空港では過剰となり、次の拠点を求めていく事が必要となるはずです。

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エアアジアのビジネスモデルは、JAL/ANA等のフルサービス提供・高価格帯路線に対して、格安価格を武器にしてシェア拡大を目指していくこと。ですので、このビジネスモデルが一番効果をあげられる羽田発着路線枠(国内線:年間6千万人利用)がメインターゲットのはずです。

エアアジア・ジャパンの再稼働が1年遅れたのも、羽田発着枠を狙ったスカイマーク支援の成行きを見ていたからだと思われます。航空局にANAJALに続く第三極必要論があるので、スカイマーク取得による羽田国内線進出の可能性もゼロではなかったはずです。デルタ航空のように公に手を挙げることもなかったのは残念でした。

Vエアー/ジェットスターが台北線(エアアジア対策?)、AirDo(ANA傘下)の札幌、函館線開設、FDA(フジドリームエアラインズ)の中部就航、春秋航空の中部ハブ化進行と外堀が埋まっているなかでの再出航になります。

2年以内に羽田・伊丹発着のドル箱路線就航の見込みがたたない場合は、求める市場開拓スピードとの乖離、過当競争による赤字を理由に国内撤退をエアアジアが再度選択するが自分の予想ですが、JAL/ANAの2大グループに属しない新興勢力が、日本の空をより多彩に、面白くしてくれるようエアアジア・ジャパンの成功を期待しています。